「暗転」(あんてん)
「明転」(めいてん)
舞台上の装置や俳優を移動させ、
違う場面へ移ることを「場面転換」と言います。
その「転換」をお客様に見えないように暗い中で行うことを「暗転」、
お客様に見える明るい中で行うことを「明転」と呼びます。
「暗転」は、主に「暗転幕」などを用いて行われますが
小劇場など暗転幕の無い劇場では、
単に照明を落としただけの状態で転換を行いますので、真っ暗になります。
しかし、いくら裏方さんといえど本当に真っ暗では何も見えませんので、
蓄光テープという、光を蓄え暗闇でもうっすらと見える
テープを頼りに転換を行うこともあります。
また、ピンスポットや昼間を表す明るい照明から急に暗くなると、
舞台上にいた俳優は目つぶしにあったように何も見えなくなります。
感覚と勘だけで袖にたどりつく俳優さんもいますが、もちろん危険ですので、
照明が消えると共に黒い服の裏方さんが迎えに出ることもあります。
一方の「明転」は、転換自体をお客様に見せるものですので、
そこに一種の芸術性やストーリー性を持たせる場合が多いようです。
舞台装置と俳優が動くことで移動の時間を表現したり、
回り舞台の場合、舞台装置を回すことで回想シーンのように見せたり、
また、舞台装置その物が壮大に変化する姿をわざと見せることで、
舞台の醍醐味を楽しんでもらったりと、様々な工夫が凝らされています。
舞台転換、特に暗転では
後になると笑い話になるようなエピソードもたくさんありますが、
一歩間違うと大怪我につながることも。
舞台に関わる方は気をつけてくださいね。