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2010年1月25日

ゲキ×シネ「蜉蝣峠」を見ました

2月13日から公開される
ゲキ×シネ 劇団☆新感線 いのうえ歌舞伎☆壊「蜉蝣峠」を観てきました。


ゲキ×シネ 劇団☆新感線 いのうえ歌舞伎☆壊「蜉蝣峠」
上映:2010/2/13〜
配給:ヴィレッヂ/ティ・ジョイ
著作:劇団☆新感線/ヴィレッヂ
監督:前嶋輝
時間:167分
映像製作:イーオシバイ
上演:2009/3/11〜4/21 赤坂ACTシアター(東京)
   2009/4/21〜5/07 梅田芸術劇場(大阪)
演出:いのうえひでのり
脚本:宮藤官九郎
出演:古田新太/堤真一/高岡早紀/勝地涼/木村了/梶原善/粟根まこと/高田聖子/橋本じゅん


1月19日に、アキバシアターでの試写を鑑賞させていただきました。
舞台をデジタルシネマカメラで撮影し、映画館に配給するゲキシネ
これまでに何作も制作されてきましたが、
今回の「蜉蝣峠」は、これまでよりもさらに俳優に寄った画が多く、
舞台を収録したことを感じさせない、
舞台とはまったく別物の映画という作品に仕上がっている印象でした。

そのため、舞台では見づらい俳優の表情などをじっくりと見ることができ、
また寄った映像を編集することで、舞台とは違った迫力ある映画になっていたように感じます。
しかし一方で、あまりに寄った画が多すぎるため、
俳優の舞台上の動きが理解できなかったり、見所の1つである殺陣のシーンを堪能できないというデメリットも。
一般に日本の映像作品は寄った画が多すぎるという悪しき習慣があるように感じているのですが、
個人的には、この作品にもそうしたところを感じてしまったのが残念です。

しかし、これは私が舞台を俯瞰で観たいという観劇の感覚があるからかもしれませんし、
上演された舞台を観劇していなかったためかもしれません。
逆に言えば、既に舞台を観劇した方は、舞台とはまったく違った視点で楽しめると思いますし、
また舞台をあまり感じさせない映像になっているだけに、
舞台を観ることに慣れていない方でも、違和感なく入っていける作品であるとも言えそうです。

物語の雰囲気は、ある程度想像通りの宮藤官九郎脚本・いのうえ演出作品でした。
宮藤脚本は、テンポが良く飽きさせず、自然な会話がおもしろい反面、
話が散漫で中身があまりないといった印象が強いのですが、
今作は前半から散らかりまくった物語が終盤で一気に収束し、
純粋に物語として楽しめる作品になっていて驚きました。
あのスベっていたギャグは前振りだったのか、と最後に気づかされるという点も多く、
ある面だけで考えると、宮藤官九郎オリジナル脚本では最高傑作と言っても良いかもしれません。
ただ、中身がないのは相変わらずですし、
今では忘れかけたような時事ネタや放送禁止用語、
ついでに演出もテレビなどでは放送できないようなもののオンパレードであり、
正に舞台や映画で、エンターテインメントとして純粋に楽しむための娯楽大作といった印象です。
舞台を映像化する試みが増えてきた昨今ですが、
その辺りも含めて考えても、宮藤官九郎脚本・いのうえ演出というのは、非常に映画化に向いているように感じます。

俳優陣では、堤真一と古田新太はさすがの演技で、
今回のゲキシネ作品は、2人のファンの方のために創られたと言ってもよいほど、
それだけでも観る価値があるように感じました。
高岡早紀は悪くはなかったのですが、何かが足りずにちょっと残念。
容姿が美しいのはもちろん、芝居も歌もダンスも非常に上手い方だと思いますので、
なにかあと一押しあれば超一流の役者さんになれそうな気がするのですが・・・
それから、今回も橋本じゅんを筆頭に、もちろん新感線の方々も素晴らしかったです。

最後に・・・演劇などの舞台を観に行ったことのない方も、
ぜひ一度映画館に足を運んでみてほしい、ということを訴えておきたいと思います。
このゲキシネ「蜉蝣峠」は、前売り2,000円・当日2,500円と映画にしては高額ではありますが、
実際に生の舞台を観劇するのに比較すれば相当な安価であることは間違いありませんし、
3時間近い上映時間を飽きることなく楽しめる作品であると思います。

ゲキ×シネ「蜉蝣峠」 | 演劇ニュース

「ゲキ×シネ「蜉蝣峠」を見ました」奥付

  • Posted : 2010年1月25日 02:57
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