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2008年5月31日

ゲキ×シネ「メタルマクベス」を見ました

4月24日に、アキバシアターでゲキ×シネ「メタルマクベス」の試写を見てきました。
(ネタバレしないで感想を書いているつもりです)

メタルマクベス

ゲキ×シネとは、舞台で上演された作品をデジタルシネマ化して映画館で上演するもの。
多くの演劇やミュージカルがテレビで放送されたり、DVDとして発売される昨今、
これもそういうものだろうと思っていましたが、
このゲキシネはそうではありませんでした。

舞台を映像化した作品のほとんどは、引いた絵がメインで、
たまにカメラが俳優に寄っていくという感じの退屈な映像が多いですが、
ゲキシネは、映像を撮るために舞台で演じたのではないか、と思えるほどのクオリティ。
かといって最近のテレビのように引いたりアップにしたり、
ガチャガチャとスイッチングしたりといった煩いカメラワークもなく、
完全に映画として魅せる作品に仕上がっています。
若干、俳優の表情を追う、アップの映像が多すぎる感はありますが、
普段は俳優の表情などほとんど見えない遠くの席から舞台を観劇することが多い
私たちからすると、それが魅力にも思えます。
舞台全体を眺めたい場合は、生の舞台を観れば良いのですものね。

「メタルマクベス」という作品自体も、
3時間を超える長丁場ながら、まったく退屈することもなく楽しめる
超大作の娯楽作でした。
いのうえひでのりの仰々しい演出は、私はあまり好みではないのですが、
この作品に関しては非常にマッチしており、
それが飽きる間もなく楽しませてくれる最大要因になっているように感じましたし、
脚色の宮藤官九郎もさすがの出来でした。
ちょっとした笑いを取るための小ネタが、上演された2006年当時の時事ネタが多く、
今見ると少々古い感じがしましたが、
これは、もしかすると映画になることを予め想定した上で、
クドカンがわざと時事ネタを入れてきたのでしょうか?

俳優人では、役柄的においしかったのかもしれませんが、
橋本じゅんのインパクトが最も強く、上條恒彦や松たか子もさすがでした。
内野聖陽も、歌唱力はイマイチながらも、ほぼ出ずっぱりの超熱演。
そして何より、出演者が全員素晴らしく、それだけでもかなり感動してしまいました。
足を引っ張る1人の役者のために、芝居全体が壊れてしまうというのが、
観劇していて一番悲しく感じられてしまいますもので・・・

それから、当然ながらデジタルの映像・音楽も素晴らしく、
音楽劇という趣の演目を映画化した同作は、
映画館で見るのに最適といってもいい作品だと感じました。

という感じで、5月末現在、既に東京・新宿で公開中ですが、
この作品はもちろん舞台好きな方にも、単に映画としても、かなりお薦めできると思います。
チケットは当日券だと¥2,500してしまいますが、前売りでは¥2,000。
通常の映画より若干高額ですが、途中休憩も入る3時間以上の上映で、
決して割高には感じない作品になっていると思います。


ゲキ×シネ「メタルマクベス」
公開:2008/05/24〜06/13 新宿バルト9(東京)
   2008/05/31〜06/06 川崎チネチッタ(神奈川)
   2008/06/07〜06/27 梅田ブルク7(大阪)
   2008/09/20〜10/03 全国9都市
上演:2006/05/16〜06/18 青山劇場 (東京)
   2006/05/05〜05/07 まつもと市民芸術館(長野)
   2006/06/29〜07/04 大阪厚生年金会館(大阪)
原作: W・シェイクスピア
脚色:宮藤官九郎
演出:いのうえひでのり
出演:内野聖陽/松たか子/森山未來/北村有起哉/橋本じゅん/高田聖子/粟根まこと/上條恒彦

ゲキ×シネ第4弾「メタルマクベス」(演劇ニュース)
「ゲキ×シネ」ツアー2008

「ゲキ×シネ「メタルマクベス」を見ました」奥付

  • Posted : 2008年5月31日 02:34
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