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2004年6月19日
窪塚洋介 転落
今年に入り、表舞台から姿を消していた窪塚洋介が
6/6午後、自宅マンションから飛び降りor転落、
幸い命に別状はなかったらしいが、
どうやら頭蓋骨など5箇所を骨折、全身損傷もひどいらしい。
窪塚の普段の言動から、
マスコミなどはいろいろなことを言っているが
なぜ所属事務所は
きちんと怪我の現状などをファンに対して発表しないのだろう?
きちんと報告しないから、
余計に憶測が飛び交うことになっている気がするけれど。
まあ、あたしとしては
彼がどんな原因で落ちたのか、もしくは飛び降りたのか
また彼が何を考え、どんな思想をしているのか、
そんなことはあまり興味もないし、どうでもいいことだと思っている。
ただただ、素敵な俳優「窪塚洋介」の命が助かって、
良かったなぁと思うばかり。
正直言って、あたしは「窪塚洋介」という人、もしくは男に関しては
たいしてファンでもないし、格好いぃ〜とも思っていない。
けれど「俳優・窪塚洋介」は、現在に於いて稀有の存在で
今後数十年間、日本の映画界を引っぱっていくべき俳優だと思っている。
なぜかと言うと・・・
彼の出演作を観てみると
どれを観ても、必ず「窪塚洋介」がいる。
彼の個性は強烈だし、台詞回しにも癖があるように感じる。
それを、窪塚の演技を評価しない人は「ワンパターンだ」などと言うが
あたしは、それは表面的なことに過ぎないと思う。
たしかに、彼は全盛期のロバート・デ・ニーロのように
毎回別人になって出てくるわけではない。
彼の芝居は、常にその芝居の役柄を「窪塚洋介」が演じているように感じる。
しかしそれは、例えば××××というアイドルがある役を演じるときの
「××××がこの役をやっている」というのとは
果てしなく大きな隔たりがあるように思う。
つまり、松田優作の映画では
常に「松田優作」が誰かを演じてそこにいるように
窪塚洋介の映画では「窪塚洋介」が誰かを演じ、そこにいる。
けれど、それ以上にあたしが窪塚洋介を素晴らしいと思った要因に
彼の「目」がある。
あたしがはじめて窪塚を観たのは「池袋ウエストゲートパーク」で
「キング」(不良グループのリーダー)を演じる彼だったのだが
キング役の窪塚は、本当に目の奥がどんよりと曇っていて
あたしは
あぁ、はまり役の不良俳優だなぁ、存在感があるなぁ、誰なんだろう?
などと思っていた。
それが映画「Laundry」で、知的障害者を演じる彼の瞳の奥は、
子供のような無垢な純粋さを佇ませていた・・・
目の表情や色を変えることは
きっと多くの役者ができることなんだろう、と思う。
けれど、目の奥に棲むもの、その人を表す瞳の囁きを
まったく変えてスクリーンに現れた彼を観て
俳優・窪塚洋介を、怖ろしくさえ感じてしまったのだ。
風評では、彼へのパッシングの方が多いようなので支援すれば
彼の普段の意味不明な言動も
長嶋や猪木に通ずる、スター性の一つと
後々捉えられなくもないかもしれない。
ともかく、彼が一命を取り留めたのは
芝居の世界において、
大切な才能を失わずに済んだことには相違ないと思うので
マスコミの方々も、パッシングするだけではなく
彼が無事復帰できるよう、そして叩くのであれば
彼の芝居に対してそうしてほしいものだと思う。
されに言えば、彼・窪塚洋介も
何か主義・主張があるのであれば言葉で伝えようとするのではなく
本職である、芝居を通じてそうしてほしいと思う。
「凶気の桜」で、そういう彼の姿勢の一環が見えたような気がしたので
今後の彼に、ますますそう願って止まず、
まずは、俳優としての無事復帰を祈るばかりだ。
〜メルマガ「シアターレビュー」vol.29より〜
「窪塚洋介 転落」奥付
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