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2004年5月16日
Winnyと著作権
ファイル共有ソフト「Winny(ウィニー)」の開発者が
著作権法違反幇助容疑で逮捕されたニュースが議論を呼んでいますね。
さすがにこの件はテレビなどでも多数報道されているが、
特に芸能に関わる問題だと思うので、あたしもちょっと思うところを。
「著作権違反の幇助思想があった上でソフトを公開したから逮捕」
というのは、あたしにはまったく理解できず
この逮捕の裏には何があるんだろう?と勘繰ってしまう。
これがもし、
ファイル共有における著作権や課金システムが整備された世の中なら
素晴らしいソフトを開発した!という話だったであろうに。
弁護団は14日の記者会見で
「Winny利用者に違法行為があったとしても、法改正して対応すべき問題」
と述べ、さらに
「幇助という曖昧な件で逮捕すれば、創作活動を抑制する」
「世界レベルでソフト開発競争が進んでいる中、日本の大きな損失になる」
と主張。
Winnyの開発者自身も、
今後、コンテンツ(音楽や映像などを含めたソフト)は
ネットで流通するのが主体になると思われ、
問題は、それに対する著作権や課金システムの不備だ、と語っている。
この事件を考えると
先日からのCDのCCCD化、輸入CDの規制法案、といった
レコード業界のことと無関係なのだろうか?と、あたしは思ってしまう。
時代の要請に応えようとはせず、既存の利益を守ることに必至な業界・・・
古きものすべてが悪しきものではないけれど、
新しい道筋を作る為には、既存の体制で利益を得ている者達と戦い
新しきものが正しく進める道を作るべきでは・・・
シャアの台詞のようだけれど、
あたしにはそのように感じられてならない。
例えば、本のことで考えてみよう。
15世紀まで、手書きで制作されていた本は
グーテンベルクの活版印刷発明後、急速に一般に普及する。
この技術は、羅針盤、火薬の発明と共にルネサンス期三大発明とされており、
当時一大メディア革命を巻き起こした。
その後、様々な技術が発明されたにしろ、
基本的に「ソフト=物」という形は崩れていなかったように思える。
が、これだけソフトのデジタル化が進んだ現在では
これまでの「ソフト=物」という概念では
著作権はもちろん、対価報酬という面でも無理が生じていると思う。
今あたしたちは、
ソフトのデジタル化とITによる
メディア革命の最中にいるのではないだろうか。
恐竜が滅び、哺乳類の時代になったように、
様々な社会形態が民主主義に駆逐されたように、
時代が移り変わっていくのはやむを得ないことだと思う。
旧態依然としたレコード業界が墓穴を掘りながら自滅するのは勝手だが
少なくとも国政レベルでは、
過去の遺産に縋るのではなく、新しき道を見出す方向に努めてほしいと思う。
ーメルマガ「シアターレビュー」vol.27よりー
「Winnyと著作権」奥付
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