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2004年4月 2日
逆輸入CDに続き、輸入盤CDも販売不可へ
前回、逆輸入CDが規制されることを書いたが
民主党の議員が提出した質問主意書の答弁が
3月末、小泉首相名義で通知されたらしい。
答弁の内容を簡単に言うと、先のCD輸入規制の著作権法改正は
洋盤についても同様に適用されるとの解釈で、
日本向けCDが発売される海外CDについても、
国内CDの逆輸入盤同様、日本で販売するのは不可、ということだ。
つまりこれからは
例えばアメリカで発売された、
アメリカ盤のみのボーナストラック入りのCDを¥2,000程度で買うことはできず
CCCDとか言う、ボーナストラックなしの国内向け偽CDを¥3,000出して買え、と
こういうことのようで・・・
ここまで来ると、呆れてしまってツッこむ気力も失せてくるけれど
気力を振り絞って当たり前のことを言うと・・・
なんでここまで、政府は音楽業界を保護するのでしょう?
そもそも日本には、
世界でも稀な、音楽に対する再販制度が存在する。
再販=再販売価格維持制度とは、メーカー側が価格を設定できる制度のことで
これが認められていない物に対してメーカー側が実売価格を指示すると
独占禁止法に抵触してしまう。
日本のCDが世界一高いのは、他国と貨幣価値が違うからでも何でもなく
音楽業界を守るための、この再販制度のせいに過ぎない。
そもそも、安価で購入できる逆輸入盤にしたって
正規の逆輸入盤である限り、
アーティスト側にはきちんと著作権収入があるわけで
逆輸入盤が売れて損をするのはメーカーだけ、
つまりはメーカーを守る為の法改正に過ぎない。
再販制度が完全に悪法だと言うわけでもないので、ちょっとフォローすると
これは主に本に適用されている法律で
仮に本も自由価格にしてしまうと、小型書店が淘汰されてしまうだろうし
大型書店にしても、店頭に売れる本しか並ばなくなり、
例えば学術書などのマーケットに乗りづらい本が
まったく供給されなくなってしまう、ということが危惧されてしまう。
本には、楽しむという面以外にも
前人が遺した研究などの成果を後生に伝える、という面もある(本がある)ため
このように仕方がない部分もあるかと思う。
では音楽はどうかと言えば
音楽とは、その名の通り、音を楽しむものであって
文化的に後生に遺すべき価値がある程の物は、
自然と残っていくものなのではないだろうか。
モーツアルトもビートルズも、国政に守られて今遺っているのではなく
今も愛されているからこそ、遺っているのではないだろうか。
今、日本でチャートインしている音楽で
文化と呼べる程のものはほとんど存在していないように思う。
日本が世界に誇れる文化であるゲームは
このような規制がほとんどない中で成長していったことを思うと
国政に守られ、温々と大金を稼げる音楽業界が
世界と競争力を持てるとはとても思えない。
という感じの大問題だと思うのだけど
心配なのは、こういったとき頼みのマスコミも
新聞や雑誌も、同様に再販制度に守られた企業のものなので
この件に関して強い意見は出てこないような気が・・・
管轄である文化庁に詳細があるので
(まだ案の段階のものですが)
一応リンクを貼っておきます。
文化審議会著作権分科会報告書(案)
http://www.mext.go.jp/b_menu/public/2003/03120901/002.htm
「文化審議会著作権分科会報告書(案)」に関する意見募集について
http://www.mext.go.jp/b_menu/public/2003/03120901.htm
ーメルマガ「シアターレビュー」vol.24よりー
「逆輸入CDに続き、輸入盤CDも販売不可へ」奥付
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