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2004年3月 7日

凶気の桜

凶気の桜

監督:薗田賢次
出演:窪塚洋介,高橋マリ子,江口洋介,須藤元気,原田芳雄

窪塚洋介、RIKIYA、須藤元気の3人は、
白い戦闘服をまとい、渋谷の街で“汚いゴミ”半端な不良を狩っていく。
右翼系の暴力団“青修同盟”会長の原田芳雄は、そんな3人を可愛がる。
3人は若頭の本田博太郎や、“消し屋”江口洋介などに影響を受けていく・・・
ある日、3人がドラッグを捌いているクラブを襲撃したのをきっかけに
青修同盟と、対立する小西組との抗争が始まってしまう。
そして青修同盟内の陰謀にも巻き込まれていく3人。
しかしそれは、百戦錬磨のプロたちが用意周到に仕組んだ罠だった・・・

●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●

リズムが良く、間延びしていないだけで
プラス採点に思えてしまう日本映画の現状も悲しいけれど・・・
テンポが良く、おもしろい日本映画だった。

加えて、この作品は映像も素晴らしかった。
あたしは、何の予備知識もなくこの映画を観たのだれど
見終わって、このリズムの良さ、映像の美しさ、
監督は一体誰?
と調べてみると、薗田賢次監督。
どうやらこれまで音楽クリップを作っていた人のようで
これが初監督作品。
これまでもビジュアル系のミュージッククリップを観ていて思っていたけれど
映像的には、やっぱり音楽シーンの方が優れているような・・・
薗田賢次が、どういういきさつで
この映画の監督をすることになったのか知らないけれど
こういう柔軟な起用で、日本映画の映像やリズムも良くなっていくと思う。

物語的には
右翼系団体を描き、窪塚等主人公達もナショナリストを自称している、
イデオロギーをテーマにした映画。(のような感じ)
それ故に、話が浅い、主題が散漫だ、という論評を多くみかける。
が、実際には、現在の多くの日本人は、
朝日やTBSの偏向した左翼的報道には腹を立て、
日の丸や君が代に賛同していたって、
民族主義や反共産主義的な右翼的思考を持っている人は少なく、
この映画の主人公達のように
ナショナリストを自称していても
「美味いっすから」と言ってアイスを食べ
RAPを流してドライブする、そんな人が多いのではないだろうか。
そんな理論に矛盾するような行動こそ、今を現したこの映画の本質であり、
実はこの映画にはイデオロギーなどテーマでもなんでもなく、
単に「暴力はやがて自らが滅びる」ということを言っているだけ、
つまり、窪塚が企画段階から参加したというこの映画は
彼が常日頃?から言っているように
ピースな愛のバイブスを表現したかったのかなぁ、と。

何を言っているのかわからなくなってきたけれど、
要は、その矛盾した雰囲気が暴力を重苦しくしていないし、
映画自体も暗くしておらず、良かったのではないかと思う。
それと、K-1などでもそのパフォーマンス性で人気の格闘家・須藤元気が
喧嘩シーン以外でもいい味を出しているし、
江口洋介の殺し屋もインパクトが強く
演技が上手いのか下手なのか、はまっているのかミスキャストなのか
観ていてわからなくなってしまうのも見所。

なんだか混乱した文章になってしまったけれど
映画の方も、エンドロールが終わった後に
混乱させるためとしか思えないラストシーンが用意されており
見終わってわからなくなってしまうのも見所。
あたしはこの映画を観て
庵野秀明の「ラブ&ポップ」を思いだした。
感想はこちら
今の日本、渋谷を満喫したい時続けて観るといいかも・・・

窪塚洋介の、これまでの出演作、出版作をまとめてみました。
昔彼は「ヨースケ」という芸名で活動していたことを
あたしはこのページを作って始めて知りました・・・


ーメルマガ「シアターレビュー」vol.22よりー

「凶気の桜」奥付

  • Posted : 2004年3月 7日 19:30
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