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2004年3月14日
CCCD その3
CCCDという、偽CDが普及させられつつある音楽業界だが、
今度は、逆輸入CDが来年にも日本から消える模様だ。
逆輸入CDとは、不正コピーされた海賊版とは違い、
権利を持つ日本のレコード会社が外国の業者にライセンスを供与し、
正規に海外で生産・販売されるCDを、日本に輸入したものだ。
逆輸入CDは価格が安い。
なぜかと言えば、CDの値段が違うから、という当たり前の理由。
音楽業界によれば、
海外市場での販売価格は現地の経済水準に比例するので
海外から業者が逆輸入する経費や利益を上乗せしても、
国内で正規に流通しているCDよりも安く販売できる、ということらしい。
CDアルバム1枚あたり
韓国や台湾ではが¥1,200〜1,600、中国では¥550〜850程度と、
日本と比べてかなり安い。
これは経済水準の差があるからだ、という報道を鵜呑みにして捉えると
いかにも正論で、今回音楽業界の要望を受け入れた形で成立した
「音楽レコード等の還流防止措置」を盛り込んだ
著作権法改正案が閣議決定されたのもやむを得なく思える。
が、だとしたら、
なぜ欧米のCDも、逆に日本が権利を買って販売されているCDより
輸入されているCDの方が安いのだろうか。
映画のDVDが¥1,500で売られているのに
そのサントラCDは\3,000で売られている状況は異常だと思う。
単純に、日本の音楽CDは高すぎる。
音楽業界は、CCCDと言い、この件と言い
CDが売れない原因をなんとか消費者に押しつけたいようだが
売れない理由は単純に
悪いソフトを高い値段で売っているからに過ぎないのではないだろうか。
そもそも、文化的な物に適正価格というのはあり得ないのかもしれない。
けれど、邦楽CDのように
暴利を貪る価格でマーケットが縮小しているのなら
まずは市場で競争力のある価格にする努力をし、
その上で消費者側の責を問うのが筋だと思う。
今回の法改正は音楽CDについてのみ。
日本の姿勢として、そのように考えるのなら
同様な権利関係を持つDVDや映画、ビデオ、PCソフトにも
同法を適用すべきなのは当然で
ところが音楽CDについてのみというのは、いかにも業界の圧力に負けました、
という匂いが漂ってくる気がしてならない。
日本の音楽文化を守るため、という名目で行われている
CCCD化や今回の法改正。
逆に日本の音楽文化を衰退させているように感じる。
それでなくても、
メジャーレーベルとインディーズの区別が曖昧になっている昨今
一度現在の態勢が崩壊してしまった方がいいのかもしれない。
ーメルマガ「シアターレビュー」vol.23よりー
2004/3/14
「CCCD その3」奥付
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