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2004年1月26日
CCCD
「売れない」と話題のCDなどの音楽ソフト。
金額ベースで、昨年もまた前年比90%程度と落ち込んだらしい。
特に、邦楽は同前年比88%。
洋楽の同96%に比べても落ち込みが顕著だ。
売れないCD(もしくはCCCD)に比べ
DVDなど、他のソフトは売れている。
DVDは、金額ベースで対前年比150%程度、数量だと200%を超えている。
映像ソフトには、最近特に安くなった映画なども含まれるので
そちらの売上げじゃないか、と思われるかもしれないが
音楽に限ったDVDの売上げを見ると
さらに対前年比は上回り、金額ベースで177%、数量では266%だ。
この辺りの数字の上っ面を眺め
ソフトとしての音楽が悪いわけではない、
音のソフトが売れないのは、違法コピーが横行しているからで
昨年SMAPが唯一ミリオンセラーになったのも
違法コピーと無縁の層に支持されたからだ、
なんてことが言われているが・・・果たしてそうだろうか。
違法コピー対策として最近各メーカーが発売しているCCCD。
まず言いたいのは、以前も少し書いたが、これはCDではない、ということ。
固有名詞だった「ウォークマン」が普通名詞化したように、
CDも、規格に外れているからといってCDではない!というのは
些か口うるさいだけのような気もするが、
数年前、アジアからの不正コピーCDの流入が問題となっていた時は
CDは規格に合った、ケースにきちんとロゴの入ったものだけ使いましょう
と謳っていた各社が
規格外商品を、さもCDのようにマーケットに出しているのが信じられない。
それに、オーディオ機器メーカー側の説明を見ると
規格外CDを使用してのトラブルには対応できない、
という姿勢でほぼ統一されている。
しかし、例えばSONYは規格外CDを発売しているが
一方でSONYのオーディオは、規格外CDにほとんど対応していない。
こんな無責任な話がまかり通るのだろうか。
CCCDに関しては、アーティスト側の対応など
言いたいことはたくさんあるが、長くなるのでそれは次の機会に。
話を戻す。
「CDが売れない」と言うが
それは、聴き手にとって「音楽=CD」では
なくなってきているのも一因ではないだろうか。
CDの落ち込みに反し、DVDの売上げが伸びていることからも、そう思える。
「ビジュアル系」が音楽ジャンルのように定着して久しいが
それに限らず、好きな楽曲はPVと共に楽しむのも普及してきていると思える。
また「音」に限ったことで言えば
アメリカでは、昨年Appleがネットでの音楽配信を始め、成功を収めている。
ダウンロード料金は1曲99セントで会費なし、
さらにiPodに転送自由、無制限数のCDに焼き付けも可能だ。
日本ではLabelGateという国内レコード会社18社が参加するサイトがあるが
1曲¥210〜と米Appleの倍程度の値段の上、
曲数も少なく、Windowsのみの対応、配信ファイルも限られており
音楽配信ポータルと呼ぶにはほど遠い。
ネット業界から転身、コロンビアのCEOに就任した広瀬氏は
「弊社としては来年度中にネット配信サービスを開始したい。
不遜な言い方だが、ネット活用の一つの手本となれればと思う。」
と、インタビューで発言していた。
ネット配信を、というのはともかく、来年度中・・・
それまでAppleやMSN、Napsterが日本進出を待ってくれるかどうか。
他のレコード会社が米企業の配信サイトに加盟してしまい、
逆に取り残されなければ良いが。
あたしは何が言いたいか、と言うと
当たり前だが、音楽は文化だ。
そして、ネットなどの発達と共に、情報的に扱われるようになった現在、
ソフトのCCCD化という国内のレコード会社の対応は
音質劣化や、対応機器の問題、個人使用範囲でのコピー不可など
よく言われているような表面的な問題だけではなく、
もっと根本的に誤った対応なのではないだろうか。
日本がいくら経済的に裕福になっても
文化の面ではそう成り得ていないのは
このように、文化の流通よりも企業の論理を優先させてしまう
そんなところに最大の要因があるように思えてならない。
ーメルマガ「シアターレビュー」vol.19よりー
2004/1/26
「CCCD」奥付
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