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2003年11月17日
映画興行成績
早いものでもうすぐ12月。
また1年が過ぎていくんですね・・・
年末と言えば、映画の話題作が封切られる一つのタイミング。
しかし、今後公開されるラインナップを見ると
トム・クルーズ主演で、渡辺謙・真田広之・小雪・中村七之助が出演する
「ラスト・サムライ」が話題となっているくらいで
全体的に小粒な感じが・・・
と言うより
シリーズ完結編の「マトリックス・レボリューションズ」
こちらも日本が舞台の話題作「キル・ビル」
今話題の宮藤官九郎脚本作「木更津キャッツアイ」
邦画としては成功している「g@me.」
など、今すでに話題を呼ぶ作品は公開されている感じ。
これらの作品は、おそらく年末年始も上映されるだろうから、
口コミでのロングランヒットを狙っての公開前倒しなのだろうか。
ところで、景気が悪くなると興行成績が上がると言われる映画界。
この噂は本当なのだろうか?
興行成績を比較して見てみよう。
昨年の1位は「ハリー・ポッターと賢者の石」で、配収なんと203億円。
以下「モンスターズ・インク」「スター・ウォーズ エピソード2」
「ロード・オブ・ザ・リング」と、4位まで配収90億円を超える作品が続く。
一方、邦画は「猫の恩返し」などが1位で64億円。
一昨年「千と千尋の神隠し」が300億の歴史的大ヒットを記録したが
99年、2000年と1位を獲得した「ポケットモンスター」が
48億、35億といった配収なので、「猫の恩返し」はかなりの数字と言える。
では、バブル最盛期と言われる1989年を見てみよう。
1位は「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」で44億円。
以下「レインマン」32億、「カクテル」17億、と続く。
どちらもトム・クルーズ出演作・・・
というのは関係ないにしても、随分低い配収で争われているのがわかる。
ちなみに、今や伝説化している「ブラック・レイン」もこの年の公開ながら
5位で、僅か13億で終わっている。
一方邦画。
1位は「魔女の宅急便」で21億。
2位は「ドラえもん」で、以下ベスト10には「男はつらいよ」が2作、
「これから物語」(光GENJIの内海、大沢主演)「丹波哲郎の大霊界」
などが名を連ねている・・・
この結果を見ていると
たしかに、興行収入を比較すると、バブル時代と今では大きな差がある。
不景気になると映画を娯楽とする人が増えるというのは
感覚的にも理解できる。
が、それ以前に
邦画のラインナップを見ていると、真剣に映像芸術と解して
映画製作に取り組んでいたのか、という点から疑問を感じる。
金銭的に楽な時代に、楽なソフトしか作らない、
だから観客は他の娯楽に流れ、興行も成功しないのではないのだろうか。
そして残念ことに、その傾向は映画界だけのことではなく
日本全体がそういう風潮だったために、
現在の国際競争力が著しく低下した日本があるのだろう。
と、批判するのは簡単だが、ちょっと自分自身も省みてみる。
そして思えば、人は生きていく上でもその過ちを犯す。
目先の楽や、感情に拠った間違いを・・・
「後悔先に立たず」と、日本ではよく言うが
あたしは、それよりも好きな“パール・S・バック”の言葉がある。
「どんなに途方もない過失でも、
途中で立ち止まり、それを正すことができる瞬間があるものだ。」
日本も、あたしも、そして皆さんも
その瞬間を気づかず、逃すことのないようにしたいと、してほしいと、
切に思う。
「映画興行成績」奥付
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