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2002年7月22日

パラレルワールド・ラブストーリー

東野圭吾・講談社。

おもしろいです。怖いです。
人を発狂させるにはー
家族や知人、親しい人達が揃って
「おまえのことなんか知らない」
そう言えば、人間、自分が誰かを認識することができずにおかしくなるそうです。
人は他人をもって自分を確立している、いい証明だと思いますが
逆に、他人が自分を認めていても、自分で自分を信じられなくなった場合ー
自己喪失というのが、実は世の中で一番の恐怖だと思います。
人は何処から来て、何処へ行くのか・・・
私は何故、何の為に生きているのか・・・
人は理由を求めます
ただそこに在り、生まれては消えゆくものー
それは科学的発想ですが、無常観を伴うものでもあると思います。
自分が消失すれば、世界も消失するのではないか?
人間はいつか時間さえも支配できるさ・・・(byアムロ)
この世界はドラマに過ぎず、
自分も、観客に対する一出演者に過ぎないのではないかー
自分とは何か
どんな人間か、どんな奴かー
興味を持っていない人はいないと思います。
この小説がおもしろい由縁はそこに由来していると思います。
SFが化学に近づいているのではなく
化学がSFに近づいてきたような気がします。

パラレルワールド・ラブストーリー (講談社文庫)
パラレルワールド・ラブストーリー (講談社文庫)

「パラレルワールド・ラブストーリー」奥付

  • Posted : 2002年7月22日 01:13
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