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2014年8月14日

■国立劇場 大規模改修計画

国立劇場を運営する独立行政法人日本芸術文化振興会は、2021年度に大規模改修に着手し、2024年度の新開場を目指す、大規模改修計画を発表しました。

国立劇場は、東京都千代田区隼町に位置する劇場。
1966年に大劇場(1,610席)と小劇場(590席)からなる国立劇場本館、1979年に演芸場(300席)がオープン。
本館は開場から47年、演芸場は35年が経過し、劇場施設や舞台機構の老朽化が著しく、抜本的な改善が必要とされてきました。

そこで、2021年度に大規模改修に着手。2024年に新開場する予定が発表されました。
着工が2021年度となるのは、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年に先立ち「文化プログラム」が予定されており、国立劇場もその会場となることが想定されるため。

改修にあたって、本館は基礎部分を活用。
大劇場と小劇場、事務所、伝統芸能情報館は全面改修が行われ、
本館の設備スペース部、演芸場、別館(事務所)は取り壊されます。
取り壊した部分は本館の周りに増築し、機能を一箇所に集約する形に整備する予定。
なお外観は、現在の校倉造りのイメージを継承しつつ、伝統芸能の殿堂に相応しいものにするとのこと。

国立劇場 改修後 イメージ

新しくなる大劇場は、舞台機構・設備を全面改修。現在と同程度の規模を確保しつつ、桟敷席・バルコニー席の設置も検討されます。
また、小劇場も舞台機構・設備を全面改修。
新設される演芸場は、現在と同程度の規模を維持し、低層階に配置する予定とのこと。
そして新たにオープンスペース「伝統芸能体験広場」が設置されます。
これは、伝統芸能の保持・継承のため「広く開かれた劇場」を目指して設けられるもので、
様々な伝統芸能体験を提供するための展示普及活動を積極的に行うと共に、
関連する映画・書籍・グッズ等を扱う売店などを充実させる予定との事。

その他、劇場は多様化するニーズに応えられるようにハード、ソフト両面から工夫されます。
舞台と客席の一体感や親密性を向上させ、祝祭を感じられる劇場空間を創出する他、
託児室・親子観覧室の設置や、親子で楽しめるワークショップの開催を検討。
その他、長時間の公演において一幕見サービスや、公演・施設見学サービスの実施などが検討されます。
また劇場案内表示やイヤホンガイド、字幕表示の多言語対応についても検討し、外国人利用者へのサービス充実も目指されます。
バリアフリーについては、観客はもちろん、出演者や舞台関係者等にも配慮した改善策が実施されるとのこと。

劇場へのアクセスについては、現在は75%以上の利用者が地下鉄(半蔵門駅、永田町駅)を利用。
さらにそのうち80%が半蔵門駅を利用しているということで、改修後は半蔵門駅からをメインの動線と考え、車両と歩行者が交錯しないよう図られるということです。
また、劇場内外の環境を整えて魅力的なアプローチをつくるだけでなく、
千代田区等近隣地域とも連携し、駅から劇場敷地までの「国立劇場通り」を整備し、賑わいが感じられる雰囲気作りに努めるということです。

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「国立劇場 大規模改修計画」奥付

  • Posted : 2014年8月14日 18:02
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