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2013年12月26日
■「金閣寺」柳楽優弥出演 2014年上演
宮本亜門演出、柳楽優弥出演。舞台「金閣寺-The Temple of the Golden Pavilion-」が、4月5日から東京・赤坂ACTシアターで上演されます。
「金閣寺」は、三島由紀夫の同題小説をもとに、宮本亜門が芸術監督を務めるKAAT神奈川芸術劇場のこけら落とし公演として2011年に初演。
同年、「リンカーンセンター・フェスティバル」(Lincoln Center Festival)へ正式招待され、ニューヨークで上演。
2012年には、大阪・東京で凱旋公演も行われています。
この「金閣寺」が、2014年に再演されます。
今回の公演は、生来の吃音から疎外感に悩まされて育った主人公・溝口役を柳楽優弥が演じます。
柳楽優弥は、2012年に上演された村上春樹原作、蜷川幸雄演出「海辺のカフカ」以来、2度目の舞台出演。
舞台「金閣寺-The Temple of the Golden Pavilion-」は、2014年4月5日から19日に赤坂ACTシアターで上演。
チケットは2014年3月1日発売。
※追記:
水橋研二、水田航生、市川由衣、高橋長英、大西多摩恵、花王おさむ、山川冬樹、磯部勉、大駱駝艦(村松卓矢、湯山大一郎、若羽幸平、橋本まつり、小林優太、宮本正也)、岡田あがさ、天正彩の出演が発表されました。
チケットは全席指定S席8,500円、A席6,000円、U-25チケット4,500円、高校生以下チケット(4/5 18:30、4/6 13:30のみ)2,500円(税込)で、3月1日発売。
●「金閣寺-The Temple of the Golden Pavilion-」
日程:2014/4/5〜4/19 赤坂ACTシアター(東京)
企画・製作:パルコ
演出:宮本亜門
原作:三島由紀夫
出演:柳楽優弥/水橋研二/水田航生/市川由衣/
高橋長英/大西多摩恵/花王おさむ/山川冬樹/磯部勉
大駱駝艦(村松卓矢/湯山大一郎/若羽幸平/橋本まつり/小林優太/宮本正也)/
岡田あがさ/天正彩
チケット:[東京]
宮本亜門コメント
また「金閣寺」を再演させて頂くことになりました。
柳楽優弥さんの舞台は拝見していてとても魅力的だったので、是非溝口をやって欲しいと思っていたのですが、初めてお会いした時「まさに溝口!」という印象だったので、ガラス細工のように繊細で大胆で芯がある溝口をやってもらえるということで、これは面白くなる!と確信しました。
作品に登場する溝口や、柏木、鶴川という若者たちはマイノリティであったり、人とは違う個性があったりしますが、周りと違う生き方があるからこそ今の時代に必要なのだと、若者たちの生の声というものを「金閣寺」を通して、三島の言葉を通して伝えたいと思います。
「金閣寺」は、大胆で、斬新で、若々しい作品ですので、新しいキャストと新しい意気込みでさらにグレードアップして、皆様の心に、体に伝わる作品を作ります。「金閣寺」はいつまでも不滅です!
柳楽優弥コメント
舞台は2度目ですが、今は楽しみの気持ちが強いです。
宮本亜門さんは初めてお会いした時に「楽しみましょう」と言って頂いて、嬉しかったですしすごく話しやすい方だなという印象です。
「金閣寺」は原作も読みましたが、溝口は言葉を発する前に頭の中で色々と考えていて、その考えるスピードが速いんですけど、外の世界になかなか馴染めない感じなど共感する部分がたくさんありました。
そういった外の世界に馴染めないという、三島由紀夫の言葉で言うところの「鍵が錆びてて」ということが全ての始まりだと思いますので、そこは大事にしていきたいです。
「金閣寺」は三島由紀夫の大人気の小説ですが、いい意味で期待を裏切れるよう、溝口に対して誠意を持って演じられるように頑張ります。
あらすじ
「僕の内界と外界との間の扉に鍵があり、うまく開いたためしがない。
それどころか、その鍵は、錆びつてしまっているのだ」
丹後の貧しい寺の子として生まれた主人公・溝口。彼は生来の吃音のため同年代の少年たちや有為子とうまく接することができず、その苦しみは母にも理解してもらえない。
孤独にもがく彼に病弱な父は、「金閣がお前を導いてくださる」と、その美しさを聞かせる。
しかし、父に連れられ、初めて金閣を訪れた溝口にとって、現実の金閣は美しいとは思えないものだった。
その後、父の遺志に従い金閣寺の徒弟となった彼は、鶴川と出会う。
「だって僕、そんなこと、ちっとも気にならない性質なんだ」
自分の吃りをからかおうとしない鶴川にいらだち、その理由を尋ねる溝口に、鶴川は屈託なくこう答える。次第に激しさを増す本土への空襲。溝口は金閣と自分がともに焼け落ち、滅びる結末を夢想し、金閣を美しいと感じる。
だが、金閣は焼けることなく戦争は終わり、彼の夢想は崩壊する。
その後、大学へ進学した溝口は、鶴川から休み時間を別々に過ごすことを提案され、途方に暮れる。
そんな彼の前に現れたのが、内翻足の男・柏木だった。
「君は自分を大事にしすぎてる。だから自分と一緒に、自分の吃りも大事にしすぎてるんだ」自分の内翻足すらも武器に変え、悪をも肯定して不敵に生きる柏木。その姿に溝口は憧れを抱き、惹かれていく。
「柏木と付き合うのはあまりいいと思えない」溝口を心配し、そう忠告する鶴川に対して、溝口は素直になれないまま、こう言い返してしまう。「君と僕とはやっぱりどこまでいっても違う人間なんだ」
さみしげに立ち去る鶴川。そして彼はそのまま、帰省先でこの世から去る。「ぼくを疑おうと、背を向けようと、あの光が必要だった・・・・・・」
鶴川を失って再び孤独に沈み、死んだ毎日を過ごす溝口。柏木との付き合いに心地よさを感じても、幻の金閣に遮られ、それに染まることはできない。
そして徐々に自分が、柏木と同じようには生きられないことに気づいていく。そんな溝口に柏木は、実は鶴川との間に付き合いがあったこと、さらに溝口の知らなかった、鶴川の死の真相を伝える。そして「認識だけが世界を変える」と言って、溝口に同意を迫る。衝撃を受ける溝口。しかし、彼は柏木にこう告げる。
「僕は君とは違う生き方をする」
柏木との決別後、溝口は内界と外界との間の鍵を開け放つため、金閣へ火を放つことを決意する。
●DVD:金閣寺 森田剛主演 |
●書籍:金閣寺 (新潮文庫) |
柳楽優弥コメント
僕は、「僕の内界と外界との間の扉に鍵があり、うまく開いたためしがない。それどころか、その鍵は、錆び付いてしまっているのだ」という一節に現れる、溝口の心の変化を精一杯演じていきたいと思います。今日は稽古初日ということで、めちゃめちゃ緊張していますので、頑張って乗り切ろうという思いです。
初舞台は「海辺のカフカ」で蜷川幸雄さんの演出だったので、演出家の方は皆、恐いという印象だったのですが、取材時にライターさんたちから亜門さんは優しいと聞いて、優しい演出家の方もいるんだと思いました(笑)亜門さんを信じて稽古に励んでゆきます。
寺の坊主の役なので、役づくりのために、京都の宝泉寺に修行に行きました。座禅をしたり、太極拳をしたり、すごく緊張しました。
今は一番声のことを意識しています。映画で声が小さいと言われるので(苦笑)。ですので、全力で挑もうと思います!
髪型は、今以上にスッキリします!坊主にします!
宮本亜門コメント
今回は、単なる再演ではなく、新しい役者さんもたくさん加わっていますし、自分にしかできない「金閣寺」を一緒に創り上げていきたいと思います。
初演時に比べると、それぞれ役の実年齢に近い方が揃っています。
「金閣寺」は、テーマがとても深く、時期や自分の置かれている立場によって、見方が変わりますので、自分自身を見つめ直す機会となりうる作品だと思います。3年前とは情勢が変わっています。自分という人間は何ぞや、日本とは何ぞやということを、いま一度、感じ取って頂ければと思います。
柳楽さんは非常に面白い役者さんです。溝口を演じるには、溝口に共鳴できるかどうかが重要なんですが、柳楽さんは溝口が好きなんだと聞きました。
「海辺のカフカ」も観て思いましたが、柳楽さんにはそこに"存在"できる力がある。舞台では、その"存在"できる力が大切なんだと思います。