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2013年8月30日
■「ニューヨーク・シティ・バレエ2013」来日公演
バランシン6作品と「ウエスト・サイド・ストーリー組曲」を上演。
世界最高峰のバレエ団ニューヨーク・シティ・バレエが、10月に4年ぶりの来日公演を行います。
ニューヨーク・シティ・バレエ(NYCB)は、90名以上のダンサー、62名のオーケストラメンバーを擁し、傘下のバレエ学校スクール・オブ・アメリカン・バレエ(SAB)、150以上のレパートリーを持つ、アメリカ最大のバレエ団。
1933年、アメリカのリンカン・カーステインがロンドンでジョージ・バランシン(George Balanchine)に出会い、アメリカに招聘。
まずアメリカン・バレエ学校(School of American Ballet)を創設したのが始まりです。
1946年にはバレエ・ソサエティ(Ballet Society)を結成し、1948年にはニューヨーク・シティ・センターと契約してニューヨーク・シティ・バレエ(NYCB)に発展。
1949年、副バレエ・マスターに「オン・ザ・タウン」「王様と私」「ウエスト・サイド・ストーリー」「ジプシー」「屋根の上のヴァイオリン弾き」など、
ブロードウェイ・ミュージカルでも知られるジェローム・ロビンス(Jerome Robbins)が就任。
1964年には、拠点をニューヨーク・シティ・センターからリンカーン・センター内ニューヨーク・ステート・シアターに移動。
1983年にバランシンが他界した後は、ロビンズとピーター・マーティンス(Peter Martins)が芸術監督に就任。
1990年にロビンズが退任し、以降はマーティンスが芸術監督を務めており、現在もニューヨークを拠点に活動。
リンカーン・センター内の2,700人収容劇場David H. Koch Theatre(元ニューヨーク・ステート・シアター)で、年間23週公演を行うという人気を誇っています。
このニューヨーク・シティ・バレエが、総勢140名で4年ぶりの来日公演を行います。
演目は「見る音楽」と形容されるバランシン6作品と、ミュージカル界でも世界的に名高いジェローム・ロビンズの最高傑作「ウエスト・サイド・ストーリー組曲」。
「ニューヨーク・シティ・バレエ2013」は、10月21日から23日にBunkamuraオーチャードホール、10月26日と27日に大阪フェスティバルホールで上演。
チケットは、東京公演がS席19,800円、A席15,800円、B席9,800円、S席2演目セット券¥37,600。
大阪公演がS席19,800円、A席15,800円、B席12,800円、C席9,800円、BOX席24,000円(税込)で発売中。
●ニューヨーク・シティ・バレエ2013
日程:2013/10/21〜10/23 オーチャードホール(東京)
2013/10/26〜10/27 フェスティバルホール(大阪)
東京公演 主催:Bunkamura/TBS/キョードー東京
大阪公演 主催:フェスティバルホール/キョードー大阪
演奏:新日本フィルハーモニー交響楽団(東京)/関西フィルハーモニー管弦楽団(大阪)
チケット:[東京][大阪]
▼公演日程
10月21日(月) 19:00 プログラムA
10月22日(火) 19:00 プログラムB
10月23日(水) 14:00 プログラムA
10月23日(水) 19:00 プログラムB
10月26日(土) 18:00 プログラムA
10月27日(日) 18:00 プログラムB
▼プログラムA
セレナーデ -Serenade
振付:ジョージ・バランシン/音楽:ピョートル・チャイコフスキー
幕が上がると、月夜のような青白いライトの下、水色のレオタードに同色の透けたスカートの女性たちが、右手を高くかざして立っている。
自然に開かれた足がさっと第一ポジション(ほぼ180度)に開かれた瞬間に、作品は始まる。
曲はチャイコフスキーがモーツァルトへのオマージュとして書いた「弦楽セレナーデ ハ長調」。
原曲は「ソナチネ」「ワルツ」「エレジー」「ロシアン・ダンス」の4楽章からなるが、バランシンは最後の2つの楽章の順番を入れ替え、そのために、物悲しい余韻を残して幕が下りる。
シンフォニー・イン・スリー・ムーヴメンツ -Symphony in Three Movements
振付:ジョージ・バランシン/音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー
1972年、バランシンは前年に亡くなったストラヴィンスキーを讃えるため、「ストラヴィンスキー・フェスティバル」を企画し、ひとりで7作品を振り付けた。
そのフェスティバルのオープニングを飾ったのがこの作品である。
バランシンはここでは、初期のクラシック・バレエ的な作風とはまったく違う、細かく寸断されたポーズとステップから作品を組み立て、歩く動作まで取り入れている。
最後の楽章では「春の祭典」を想起させるような盛り上がりを見せる曲に合わせて、カラフルなレオタードを着たダンサーたちが、複雑な幾何学模様を描いてみせる。
タランテラ -Tarantella
振付:ジョージ・バランシン/音楽:ルイス・モロー・ゴットシャルク
タランテラというのは3/8拍子または6/8拍子で踊られるイタリアのフォークダンスで、タンバリンを片手に踊る。
タランチュラ(毒グモ)にかまれた人が毒が汗で流れ出すまで踊り続けたのがこのダンスだという伝説がある。
タランテラもタランチュラも、南イタリアの港町タラントが語源。
「ジゼル」で有名な振付家コラーリの「タランテラ」(1839)でヨーロッパ中に知られるようになった。
このスタイルに則って1964年に振り付けられたバランシンの「タランテラ」は、ほんの7分の作品だが、超絶技巧が盛り込まれている。
ウエスト・サイド・ストーリー組曲 -West Side Story Suite
振付:ジェローム・ロビンズ/音楽:レナード・バーンスタイン
ご存知、世界中にロビンズの天才を知らしめた不朽の名作。
史上最高傑作と称されるあのミュージカルが、ダイナミックな名シーンを集大成しバレエ作品に生まれ変わった。
息を呑むような迫力あるダンスが、ロビンズの本場NYCBのダンサーによって踊られるとあって、バレエ・ファンならずとも世界中のダンス、映画ファンが一度は見たいと切望する作品。
▼プログラムB
白鳥の湖〜バランシン版 (1幕)〜 -SWAN LAKE (Balanchine) 1ACT
振付:ジョージ・バランシン/音楽:ピョートル・チャイコフスキー
イヴァノフ版の2幕の振付が基になっており、2幕と4幕の曲が使用されている。
1986年に改編され、コール・ド・バレエの白鳥全てが黒い衣裳を着用。この黒鳥コールドのアイディアはバランシンのものであり、1983年に亡くなる前に、400ヤードの黒い布を購入していたと言われている。
艶やかで洒落た黒鳥たちと冷たく非情な印象の背景ーチャイコフスキーを最も愛し、理解していたバランシンが贈る「白鳥の湖」は、永遠の古典名作に新しさと悲しみが閃く。
フォー・テンパラメンツ -The Four Temperaments
振付:ジョージ・バランシン/音楽:パウル・ヒンデミット
「筋なきダンス・バレエ」という副題がついており、人間は4つの気質からなるという古代からの言い伝えにヒントを得た作品。
バランシンの特徴である、音を視覚化、音を動きにした作品で、動きに人間のもつ性格(憂鬱、快活、無気力、いらだち)が具体化されるダイナミックな作品。
初演時の衣裳は豪華なものだったが、「ダンサーが見えない」という理由でバランシンが、黒と白のレオタードに変えた。
以後この作品は「ブラック・アンド・ホワイト・バレエ」といわれるバランシンのバレエの特徴を現す出発点となった。
シンフォニー・イン・C -Symphony in C
振付:ジョージ・バランシン/音楽:ジョルジュ・ビゼー
ビゼー作曲の交響曲ハ長調を幾何学的に美しく視覚化。
踊り手の技術的にも見ごたえのある作品で、1948年のNYCB初演以来、世界中のバレエ団で踊られている。
2012年NYCB春シーズンに、衣裳を一新。新しい衣裳はスワロフスキーとのコラボレーションによって製作された。
王冠、髪飾り、イアリングなど、スワロフスキーで作られている。50人以上のダンサーによる壮観なフィナーレは圧巻。