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2013年6月24日
■パルコ・プロデュース「ロスト・イン・ヨンカーズ」三谷幸喜×ニール・サイモン
中谷美紀、松岡昌宏、小林隆、浅利陽介、入江甚儀、長野里美、草笛光子出演。
三谷幸喜の上演台本・演出で、ニール・サイモン「ロスト・イン・ヨンカーズ」が今秋上演されます。
「ロスト・イン・ ヨンカーズ」(Lost in Yonkers)は、アメリカの劇作家ニール・サイモン(Neil Simon)作で、
1991年にブロードウェイのリチャード・ロジャース劇場(Richard Rodgers Theatre)で初演された作品。
ニール・サイモンの戯曲は、1991年ピュリツァー賞を受賞。
舞台は、第45回トニー賞で作品賞の他、マーセデス・ルール(Mercedes Ruehl)が主演女優賞、ケビン・スペイシー(Kevin Spacey)が助演男優賞、アイリーン・ワース(Irene Worth)が助演女優賞と、4部門で受賞。
1993年にはマーサ・クーリッジ(Martha Coolidge)監督で映画化もされています。(邦題「ヨンカーズ物語」日本では劇場未公開)
この「ロスト・イン・ ヨンカーズ」が、三谷幸喜の上演台本・演出で上演されます。
三谷幸喜は、学生時代に観たニール・サイモン作「おかしな二人」(福田陽一郎演出)が劇作家人生のきっかけの一つとなった作品で、
これまでニール・サイモン作品の演出は封印していたそうですが、
今回パルコ劇場40周年というアニバーサリーイヤーで、企画・上演へと至っています。
キャストは、一人の女性として幸せをつかみたいという思い続けるヒロイン・ベラ役を中谷美紀。
地元のギャングから身を隠すために家に舞い戻ったベラの兄弟ルイ役をTOKIOの松岡昌宏。
妻の死後、借金を返すために働き、息子たち二人を祖母のもとに送らざるを得なくなるベラの兄弟エディ役に小林隆。
祖母の元に預けられるエディの息子ジェイとアーティ役を浅利陽介と、本作ではオーディションにて選出された入江甚儀。
「結婚」によって厳格な母から逃れることに成功したベラの兄弟ガート役を長野里美。
そしてミセス・カーニッツ役は、1992年の日本初演(青井陽治演出)でも同役を務めた草笛光子が、80歳を目前にして再チャレンジします。
パルコ劇場40周年記念公演 パルコ・プロデュース「ロスト・イン・ヨンカーズ」は、
10月5日から11月3日に東京・パルコ劇場(全36公演)、
11月12日から14日に福岡・キャナルシティ劇場(全4公演)、
11月19日から26日に大阪・森ノ宮ピロティホール(全10公演)、
11月29日から30日に愛知・稲沢市民会館(全3公演)、
12月3日から8日にKAAT神奈川劇場ホール(全6公演)で上演。
チケットは全席指定、東京公演が8,500円で8月17日発売予定。
福岡公演が8,500円で9月14日発売。
大阪公演が9,500円で9月16日発売。
愛知公演がS席9,000円、A席7,500円で8月24日発売。
神奈川公演がS席8,000円〜(税込)で8月17日発売。
※追記:
11月16日から17日に、宮城・多賀城市民会館大ホールで上演。
チケットは全席指定8,000円(税込)で8月24日発売。
●パルコ・プロデュース「ロスト・イン・ヨンカーズ」
日程:2013/10/05〜11/03 パルコ劇場(東京)
2013/11/12〜11/14 キャナルシティ劇場(福岡)
2013/11/16〜11/17 多賀城市民会館(宮城)
2013/11/19〜11/26 森ノ宮ピロティホール(大阪)
2013/11/29〜11/30 稲沢市民会館(愛知)
2013/12/03〜12/08 KAAT神奈川劇場ホール(神奈川)
作:ニール・サイモン
上演台本・演出:三谷幸喜
出演:中谷美紀/松岡昌宏/小林隆/浅利陽介/入江甚儀/長野里美/草笛光子
チケット:[東京][福岡][宮城][大阪][愛知][神奈川]
あらすじ
生真面目で心優しいエディ(小林隆)。エディは2人の息子、ジェイ(浅利陽介)とアーティ(入江甚儀)に恵まれたが妻に先立たれてしまった。
妻の病気の治療費を工面するために高利貸しから借金をしたため、完全に首が回らない状態。そのために出稼ぎに出る。自分が飛び出した家に息子たちを預けるのは非常に心が重い。
ガート(長野里美)はジェイたちの叔母にあたる。彼女は厳格な母の元を「結婚」によって上手く去ることができたが、一年中喘息に悩まされている。
ルイ(松岡昌宏)はエディの弟、つまり、ジェイたちにとっては叔父にあたる。ある夜突然、家に舞い戻ってくる。地元のギャングの金をくすねたせいで追いかけられている。つまりチンピラだ。ジェイたちに陽気に人生のわたり方を教授するが、やはり母親への葛藤が人生の大きなトラウマのようだ。
そして、ベラ(中谷美紀)。少々おつむが足りないゆえ、3人の兄弟姉のように母から逃れられない。抑圧された家を出て、地元の映画館の案内係と結婚し、自分の家庭を持ちたいという夢を持っている。
そんな4人の母であり、ジェイたちの祖母のミセス・カーニッツ(草笛光子)は厳格な女性。人に弱さを見せない。もしかしたら、見せることができなくなってしまったのかもしれない。
厳格な母のもとに育てられた4人の子供たち。それぞれに心の傷を抱えながらも懸命に自分たちの人生を築こうとしている。この物語の登場人物たちはとても不器用。それはどうあれ人生を一生懸命生きている証。きっと明日はいいことがあると信じて・・・。
そんな不器用な大人たちの世界(ヨンカーズ)に迷い込んでしまったジェイとアーティを通して描かれていくのが「ロスト・イン・ヨンカーズ」です。
【中谷美紀コメント】
三谷幸喜さんとは、これから公開される『清須会議』という映画でご一緒させていただきましたが、撮影の日々は本当に幸せで、毎日が驚きと喜びの連続でした。
撮影が終わるのが非常にお名残惜しかったのですが、この『ロスト・イン・ヨンカーズ』でまた再びお声がけいただいて「また、あの幸せな日々がよみがえるのか」と、とてもうれしく思いました。その反面、今度は編集できる映像とは異なる、舞台の上での仕事ですので、喜びとともに不安が混在しているような感覚もあります。
『ロスト・イン・ヨンカーズ』では、七名のキャストが舞台の上で一緒にお芝居をするわけですけれど、三谷さんは一人ひとりのキャラクターに惜しげなく愛情を注ぎ、いずれの役柄も生き生きと描いてくださるに違いないと、全幅の信頼を寄せています。
初舞台となった『猟銃』は、怖いもの知らずの勢いで舞台の上に上がってしまったところもあるのですけど(笑)、それから『ロスト・イン・ヨンカーズ』までの約二年間は、「自分がなにを演じたら心が動かされるのだろう」ということを、探り続ける時間でもありました。やはり、まず自分が心動かされるものではなければ、お客様の心を動かすことはできないと考えたのです。そんなときに、初舞台を踏ませていただいたパルコさんと、三谷幸喜さんがお声がけくださり、私が心動かされる作品を提示してくださいました。
どの家族にもたくさんの喜び、そして苦しみ、あるいは憎しみや愛があると思うのですけど、この作品もみなさんと同じように家族の中で悩み、苦しみ、そして光を見出す人々のお話であり、笑いあり涙ありの人情物語です。ぜひ劇場にお運びいただいて、この物語を味わってください。
【松岡昌宏コメント】
パルコ劇場には、観客として何度も足を運んでいるんですけれど、役者として舞台に立つのは初めてです。ですから、今回のお話をいただいてまず、「自分がパルコ劇場に立つのか」という、いい意味での緊張感......というよりも、うれしさがありました。自分が足を運んでいる劇場に、自分が立っているイメージというのは、劇場のことが好きだからこそ浮かぶものですし、ましてやそれが初めての三谷作品ですから。
三谷さんには自分が出演する番組に何度も来ていただいていますし、それ以外でも周りの人たちからいろいろな情報が入ってくるんです(笑)。でも、人から聞いた話というのは結局、それぞれの人が感じた三谷さん像なんですよね。だからそれは一度すべてリセットして、今回、僕自身が三谷さんの演出を受けることで、僕なりの三谷さん像を感じられればと思っています。
三谷さんの作品はテレビドラマ、映画、そして舞台と拝見させて頂いてますが、実にいろいろな世界観をお持ちの方だと思うんです。その三谷ワールドに参加させていただけることがとても光栄ですし、松岡昌宏を如何様にでも料理していただけるよう準備をしていきたいと思います。三谷さんに全てをお任せして身を委ねていければと。
今回演じるルイという役について、三谷さんは「この役は松岡でなければ」とおっしゃってくださっているそうなんです。全てを鵜呑みにしていいかどうかは分からないですけど(笑)、やっぱりそう言われるのは僕たちにとって一番の褒め言葉であり、うれしいことなんですね。ですから、その期待に応えられるように頑張りながら、のびのびと刺激のある時間を過ごしたいと思います。
今回の『ロスト・イン・ヨンカーズ』では、パルコ劇場、三谷作品と初めて経験することも多いのですが、新しい道を自分の中で切り拓いて、これを機に新しい松岡昌宏を表現できればと思います。
【小林隆コメント】
最初に今回のお話をいただいたときには「三谷幸喜がニール・サイモン作品を演出? しかも、それに僕が出演!?」と思いました(笑)。三谷さんが主宰し、僕もメンバーだった東京サンシャインボーイズの名前も、ニール・サイモンの『サンシャインボーイズ』という作品から取られているくらい、ニール・サイモンは縁の深い作家です。その代表作の一つ『ロスト・イン・ヨンカーズ』に、三谷さんの演出で出演できる日がこようとは。そんな機会があるとはまったく思っていなかっただけに、とてもうれしい。
劇団の頃から三谷さんの作・演出作品には数多く出演してきましたが、三谷さんが書いた作品以外で、三谷さんの演出する作品に出演するのは初めてなんです。三谷さんがどういうふうにニール・サイモンの戯曲とわれわれ出演者をどう料理してくれるのか。僕自身が一番、そこを楽しみにしています。
三谷さんへの要望は一切ありませんが、しいて言うなら、劇団の頃に叱られ役だったので、「稽古ではあんまり怒らないでください」とお願いしておきます(笑)。
【浅利陽介コメント】
今回、『おのれナポレオン』に続いて、また三谷さんが声をかけてくださったことを、とてもうれしく思っています。次はどんな作品になるのか楽しみです。
『おのれナポレオン』のときは、三谷さんの舞台は初めてでしたので、その演出の面白さを稽古場で実感する余裕がありませんでした。でも、稽古の後半戦になって面白いなと思ったのが、ちょっといたずらっ子のような一面をお持ちだということ。「こういうことやってみて」、「それ本当にやるんですか?」というようなやりとりがありましたし、実際にやってみるとすごく笑ってくださる。
稽古ではこんなことをやってみよう、あんなこともやってみよう」と、どんどん新しいことを試されますし、こちらから「こんなことやってみるのはどうですか?」と提案したときにも、やるやらないの判断を筋の通った形ではっきりおっしゃってくださる。役者に迷いを抱かせない、とても信頼できる方です。
今回の『ロスト・イン・ヨンカーズ』では、三谷さんがそんな僕の限界を超えるような演出をしてくださったり、脚色をしてくださるのではないか。そういう部分でもすごく期待しています。
【入江甚儀コメント】
今回、アーティ役に選んでいただいて、率直にうれしいです。これまでに三谷さんの作品はたくさん拝見させていただいていますが、あの世界観の中に自分も入れるんだとすごくうきうきしています。
僕が言葉にするのは非常に恐縮なのですが、三谷さんの作品は、ポップな世界の中にいろいろな人間観が込められていて、しかもキャラクターはみんなやさしさを持っている。そういった独特の作品世界が僕は本当に好きで、いつも楽しみながら作品を拝見させていただいていました。それだけに、今は本当にうれしい気持ちで一杯です。
二度とないかもしれない機会ですから、自分の新たな一面をこの『ロスト・イン・ヨンカーズ』という作品を通して、もっと知っていきたい。自分の100パーセントを振り絞って、三谷さんにぶつけたいと思いますし、自分でさえ知らないような一面を、三谷さんに引き出していただけたらと思っています。
とにかく魅力的な舞台なので、僕もその中で先輩方に負けずに食らいついてアーティという役を全力で演じたいと思います。必ず楽しい舞台になりますので、是非みなさん、楽しみにしていてください。
【長野里美コメント】
この『ロスト・イン・ヨンカーズ』に出演できると知ったときは狂喜乱舞しました。 お稽古では三谷マジックを楽しみにしています。三谷さん主宰の東京サンシャインボーイズと私が所属していた第三舞台は、80年代に同じように小劇場で活動していたのですが、私は一度も三谷さんとクロスする機会がなかったのですね。
一度、パルコ劇場で三谷さん作・演出の作品を拝見したときに、すごく面白かったので「私を出してください」と三谷さんに直接お願いしたことがあるんです。そうしたら「約束はできないけどそのうち......」なんておっしゃっていただいて、それから20年ぐらいが経ちまして(笑)。ついに今回、念願が叶ってご一緒することができて、本当にうれしいです。
それくらい強い思いがありますし、三谷さんにはもう全幅の信頼を寄せていますので、まな板の上の鯉になって臨みたいと思っています。
【草笛光子コメント】
私は21年前にも、同じ作品でミセス・カーニッツ役を演じておりますが、再び同じ役を演じる機会があるとは思っておりませんでしたので、今回このお話をいただきびっくりしましたし、三谷さんからお声がけいただいたことをうれしく思いました。
21年前にこの作品に出演したときはもう夢中でした。急におばあさん役をやったものですから、ご覧になった方から「おばあさん役は、まだ早いんじゃない?」と言われましたが、あれから年月が経ちまして、やっと役にフィットする年齢になりました(笑)老けた感じを作ることもなくなってきましたので、今度はどういうふうにやれるのか、自分でも楽しみにしております。
楽しみといえば、三谷さんの演出もとてもとても楽しみです。裏話をいたしますと、三谷さんとはいろいろなところでお目にかかって、ご挨拶させていただくことは多かったのですが、なかなかちゃんと言葉を交わす機会に恵まれなかったのですね。
「三谷さんは、私のことをどう思っていらっしゃるのだろう」と思っておりましたが、今回このお話をいただき、ご一緒できることに天にも昇る気持ちでおります。どういうおばあさんになるかは三谷さんにお任せして、今からどんな形にもなれるように努めたいと思います。三谷さんには私を存分にお料理していただきたいですし、お稽古が始まるのを楽しみにしております。