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2012年7月17日
■バナナ学園純情乙女組が解散
劇団「バナナ学園純情乙女組」が、次回の公演をもって解散することを発表しました。
バナナ学園純情乙女組は、二階堂瞳子の主宰で2008年に結成された劇団。
5月24日から27日に王子小劇場で上演された「翔べ翔べ翔べ!!!!!バナ学シェイクスピア輪姦学校(仮仮仮)」において、
過剰なパフォーマンスにより、あるお客様に対して強い不快感を与える事態が発生。
劇団は、5月末に当該本人への謝罪したことを報告しましたが、
9月に予定されていた、こまばアゴラ劇場サマーフェスティバル〈汎-PAN-2012〉「バナ学全学連の逆襲伝2012(仮仮仮)」の上演が中止になった他、
秋に予定されていたフェスティバル/トーキョー(F/T12) F/T公募プログラムへの参加も取消しになっています。
7月14日、主宰の二階堂瞳子がオフィシャルサイトでコメントを発表。
改めて謝罪の意を表明すると共に、次回公演をもってバナナ学園純情乙女組が解散することを発表しました。
二階堂瞳子は、全責任は主宰である自分にあるとした上で、
「私が本当にやりたいこと、また、やってきた世界観から大きく逸脱し、ただ過激さのみが増していくあまり俳優から出た提案を却下することなく、
結果として今まで徹底してきた観客とのコミュニケーションの取り方が決定的に見失われる瞬間になってしまいました。」と述べ、
「こうした事態に劇団が陥っても、それでも支えようとしてくださる観客の方々も確かにいて、
そうした応援してくださる方々へ対して突如解散という形で顔を背けるのではなく、
本来私たちが出会うべきである劇場にて最後に意思を表明できたらと思っています。」としています。
しかし、この最終公演について、現段階では時期や場所など具体的なことは何も決まっていない状況とのこと。
なお、予定されていた公演の中止理由について、
F/Tは「実行委員会が参加団体に求める一定の基準に反するものと判断した」と理由を説明。
一方アゴラ劇場は、芸術監督・平田オリザ名義でのコメントを発表し、
どのようにすればお客様の安全を確保した上で公演を継続できるかを劇場と劇団で話し合ってきたものの、
「現状では双方共に上演を維持するだけの体制をとれないだろう」と判断し、公演中止に至ったとのこと。
平田オリザは、民間劇場として表現者の表現の機会を最大限保証することは責務だと思うとし、
劇場支配人としては忸怩たる思いだと述べた上で、劇団の解散にも触れ、
「二階堂瞳子さんの才能、そこに集まってきた人びとの舞台への情熱は、このまま消え去るにはあまりに惜しい。
ぜひ、何らかの形で再起を図り、新しい表現を生み出していっていただきたい」としています。