広告
2012年4月17日
■坂東玉三郎・檀れい「ふるあめりかに袖はぬらさじ」
坂東玉三郎主演「ふるあめりかに袖はぬらさじ」に檀れいが出演。9月に赤坂ACTシアターで上演されます。
1972年、杉村春子の主演で初演された、有吉佐和子原作の「ふるあめりかに袖はぬらさじ」。
以来、お園は杉村の当たり役となり、1988年に歌舞伎界の至宝・坂東玉三郎に受け継がれました。
ちょうど作品誕生40年を迎え、坂東玉三郎にとって記念すべき10回目の上演となる今年、
恋に殉じて命を絶つ花魁・亀遊役に檀れいを迎えて上演されます。
今回の公演では、赤坂ACTシアターのためだけに坂東玉三郎が舞台セットや照明、衣裳にいたるまで細部に渡り、監修。
長年評判を博した名作が新たなる形で進化を遂げるということです。
「ふるあめりかに袖はぬらさじ」は、2012年9月28日から10月21日に赤坂ACTシアターで上演。
チケットは全席指定S席13,000円、A席9,000円(税込)で6月2日発売開始。
「ふるあめりかに袖はぬらさじ」は、5月3日から6日に愛知・御園座、5月12日から27日に京都・南座でも上演。
愛知公演は御園座さよなら公演で、1等席 15,000円、2等席9,000円、3等席4,500円、特別席17,000円。
京都公演は1等席13,000円、2等席7,000円、3等席4,000円、特別席15,000円(税込)で発売中。
こちらの両公演では亀遊役を新派の石原舞子が演じています。
※追記
テレビ特番『美の最高峰...夢の競演 坂東玉三郎×檀れい』が、9月8日16時30分からTBS系列にて放送されることが決定しました。
歌舞伎界の立女形・坂東玉三郎と元宝塚の主演娘役・檀れい。初共演となる二人の最初の出会いとなった、チラシ撮影の様子から、
製作発表、そして今回が初公開となる稽古まで密着。二人の対談なども含め、舞台裏に迫ります。
また、吉永小百合のレギュラー番組TBSラジオ『今晩は 吉永小百合です』9月9日と16日の方お酢に、坂東玉三郎が出演します。
2週にわたり舞台の事、映画の事、趣味の事など、吉永小百合が玉三郎の素顔に迫ります。
▼9/8 16:30~17:00 TBS「美の最高峰...夢の競演 坂東玉三郎×檀れい」
▼9/9 22:30〜23:00 TBSラジオ「今晩は 吉永小百合です」出演:坂東玉三郎
▼9/16 22:30〜23:00 TBSラジオ「今晩は 吉永小百合です」出演:坂東玉三郎
●「ふるあめりかに袖はぬらさじ」
日程:2012/9/28〜10/21 赤坂ACTシアター(東京)
主催:TBS/TBSラジオ/BS-TBS
演出:齋藤雅文
作 :有吉佐和子
出演:坂東玉三郎/檀れい/松田悟志/小島秀哉/団時朗/藤堂新二/伊藤みどり
チケット:[東京]
●「ふるあめりかに袖はぬらさじ」
日程:2012/5/03〜5/06 御園座(愛知)
2012/5/12〜5/27 南座(京都)
出演:坂東玉三郎/松田悟志/小島秀哉/団時朗/藤堂新二/伊藤みどり/石原舞子
チケット:[愛知][京都]
<あらすじ>
幕末、尊王攘夷の機運が盛り上がる開港間もない横浜の遊廓・岩亀楼。
病で床に伏せった遊女の亀遊(檀れい)を見舞いに吉原のから顔なじみだった芸者・お園(坂東玉三郎)がやって来る。
そこでお園は、亀遊が通辞の藤吉(松田悟志)と恋仲であることに気づく。
ある日、岩亀楼にアメリカ人のイルウス(団時朗)がやってくる。藤吉が通訳する中、イルウスは亀遊を気に入り、ぜひ相手にと熱望する。
岩亀楼の主人はイルウスから大金をせしめることができると見るや亀遊の身請けを承諾するものの、亀遊は藤吉との恋が叶わないことを儚んで自害してしまう。
そのうちに、亀遊が自害したのは外国人への身請けを拒んだことが原因だという瓦版がまかれ、亀遊は一躍攘夷女郎のヒロインにまつりあげられる。
そして「露をだに いとふ倭の女郎花 ふるあめりかに袖はぬらさじ」という辞世の句を残したという話まででっちあげられてしまう。
一方、岩亀楼には攘夷女郎がいたと評判が立ち連日客が押し寄せる。
亀遊の話を聞きたがる客にお園が話をするうちに、どんどん話が大きくなり、脚色されていってしまう。
5年後、攘夷党の集まりが岩亀楼で開かれ、例によってお園が呼ばれ、亀遊の話をすることになる。
手馴れたお園は流暢に話をし、最後に辞世の句を歌うと、それが脚色であることがばれてしまう。
怒った攘夷党の侍に刀を向けられ、今後一切この話をしないように脅かされる。
一命を取り留めたお園は、一人、降る雨を眺めながら酒をあおるのだった......。
※2012/9/28追記
9月27日、赤坂ACTシアターにて囲み取材、舞台稽古取材が行われました。
撮影:岡本隆史
コメント
Q:いよいよ明日から本番ですが、本作の意気込みを一言ずつお願いします。
玉三郎 新しいキャストで「ふるあめ」ができるのが新鮮です。今日はもう舞台が組まれていて、いつものACTシアターとちょっと違う感じで楽しみです。
檀 お稽古の時から興奮していて、舞台に行ったらお化粧もして、衣装も着て、より世界観がディープになっていくので、今はドキドキワクワクしています。
松田 非常に楽しみで、本番が待ち遠しかったんですが、昨日初めて扮装して舞台に立つと、急に緊張してきて、今はワクワク半分、緊張半分です。
Q:7月に人間国宝に認定されてから、初めてのこういった作品ですが、気持ちの面での違いはありますか。
玉三郎 今までと変わらないです。(笑)毎回ベストを尽くしているし、7月に(人間国宝に)なりましたから、3ヶ月分は成長していると思っています。
Q:今回玉三郎さんと檀さんは初共演で、玉三郎さんは男ばかりの歌舞伎、檀さんは女だらけの宝塚出身といったところからの初共演ですが、お互いの印象を教えていただけますか。
玉三郎 昔から宝塚の方々とは交流があって、結構似てる世界なので気持ちがわかりやすいんですよ。ですから、はじめ、檀れいさんという個人と話してるんですが、宝塚の話題が出ると「3日で初日開けて大変だったでしょ」みたいな共通語があってすごく楽しくて、わかりあえるところもあります。先日久しぶりに宝塚の舞台も観に行きました。
檀 私はまさか玉三郎さんとご一緒できるなんて思ってもいなかったので、本当にお話を頂いた時はびっくりしましたし、私でいいのかしらって2、3日悩みました。(笑)でもこういうご縁に巡り合えて今は本当に幸せですし、年間を通して舞台をやってらっしゃる玉三郎さんの物作りに対する姿勢や厳しさをそばで拝見して、とても清々しく、その厳しさが心地いいというか。何か(指摘が)あったら是非何でも良いので言って下さい!っていう気持ちでいるんですけど、今は「大丈夫よ」という言葉が多いです。(笑)
Q:玉三郎さんにいろいろ教えて頂いたりすることもあるんですか?
檀 はい。特別に教えて頂いたことはあったんですけど、「これは秘伝です」って仰っていたので、私だけの宝物にしたいと思っています。
Q:松田さんも人間国宝の玉三郎さん(照れる玉三郎さんに笑いが起きる)と共演となると、緊張感があったりしますか?
松田 そうですね、僕は日々玉三郎さんにいろいろ教えて頂いていて、今回舞台も東京公演に向けてどのように向かったらいいかなどをお聞きして、日々コミュニケーションを取らせて頂いているんですが、僕の家族や友人からは「(人間国宝になったことを受けて)大変な事が起きてるよ!大丈夫なのか!」と言われます(笑)
玉三郎さんは先程も仰られたように、私は昨日までと何も変わりませんという立場をずっと貫かれるので、僕もそれに合わさせて頂いて、なんとか平常心で接させていただいているという感じですね。
玉三郎さんが松田さんにとても期待をかけていると伺っています。
玉三郎 そうですね、去年からお稽古してて、「大丈夫よ」と言いつつ、この頃はかえってきつくやってるんです。(笑)「大丈夫よ」っていってもなかなか大丈夫じゃないのでね。(笑)
松田 大体「大丈夫よ」を檀さんが担当されて、僕は怒られ担当です。(笑)
Q:今回檀さんと松田さんは恋仲を演じる訳ですが、共演してみた印象はいかがですか?
檀 本当に楽しい方なので、一緒にいるだけで気持ちが楽になれる方です。でも舞台に対してはとても真面目で、すごく実直なところがすごく藤吉に合っていて。ふたりでいろんなことを話しながらもっともっと深めていけたらいいなと思っています。
松田 藤吉の人生にとって亀遊の存在は本当に大きい存在ですので、亀遊さんを檀さんに演じてもらえるというのは藤吉そのものが変わってしまうくらいの事です。でもあんまり変わると、やっぱり周りから、檀さんだと特別なのかと言われてしまうので、そこらへんのさじ加減が非常に難しいところなんですけど(笑)、本当に全身全霊で正直に正面から向いあわせて頂いております。そしてやはりお美しいので時折ふと、本当に美しいなあ、と思っています。
Q:恋がテーマだと思いますが、私生活で檀さんの別居報道がありますが。
檀 どこからなんでそんな話が出てきたのかちょっと不思議です。別居はしてないですし。
一緒に暮らしてる?
檀 もちろんです。どうしてそういうことになったのかなあと。今回の作品で、私が演じる亀遊も、実際は恋に殉じて亡くなるんですが、噂が噂を呼んでいつのまにか攘夷女郎に仕立てあげられてしまうという役柄です。(噂が噂を呼んで、事実と異なってしまうという点で)私生活と今回の作品が一緒だなぁと思います。
Q:お母様と一緒にくらしてるというのは?
檀 暮らしてないです。主人が仕事で遅くなったり、夜一緒に御飯が食べられないときは、実家が近いので一緒にご飯を食べてるだけで。それが別居といわれたら私はどうしたらいいのかわからないです。(笑)
Q:及川さんに浮気疑惑もありましたが。
檀 それも本当に、お友達とご飯を食べてただけなので、それが浮気になるなんて。
Q:檀さんもお会いしたことはある?
檀 私はお会いしたことはないですが、今日は誰誰とご飯食べにいくからねっていうのは知ってるので、全然別居も浮気もないです。
Q:舞台も観に来る?
檀 もちろん。楽しみにしてますし、今回玉三郎さんとご一緒させて頂くのをすごく喜んでくれて、毎日今日の稽古はどうだったの?ってお家に帰ったら話してます。
Q:実際玉三郎さんの女形をご覧になって女性としての所作とかで勉強になる部分はありますか。
檀 すべて勉強にさせて頂いてます。所作だけでなく、仕事に向かい合う真摯な姿、舞台の細部にまで渡るこだわりとか、いろんな面で多くの心遣いのある方なので、人としての、舞台人として本当に素敵なところがたくさんおありなので、観て感じて吸収したいと思っています。
Q:ファンの皆さんへのメッセージを
玉三郎 ACTシアターで皆全力で最高の舞台をお観せしたいと思っておりますので、どうか皆様観に来て下さいませ。
上演年月 | 劇場 | 亀遊 | 藤吉 |
1988/10 | 中日劇場 | 波乃久里子 | 川崎麻世 |
1989/5 | 新橋演舞場 | 波乃久里子 | 川崎麻世 |
1990/12 | 新橋演舞場 | 波乃久里子 | 中村橋之助 |
1992/1 | 南座 | 紅貴代 | 片岡弘貴 |
1993/5 | 八千代座 | 紅貴代 | 大滝寛 |
1994/8~9 | シアター・ドラマシティ | 宮沢りえ | 大滝寛 |
1996/7 | 銀座セゾン劇場 | 寺島しのぶ | 菊池隆則 |
2003/5 | 八千代座 | 鴫原桂 | 大場泰正 |
2007/12 | 歌舞伎座 | 中村七之助 | 中村獅童 |
2012/9~10 | 赤坂ACTシアター | 檀れい | 松田悟志 |