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2011年6月17日
■国会図書館と文化庁が脚本・台本の保存等で連携
国立国会図書館と文化庁が、テレビなどの脚本・台本の収集・保存等について連携・協力をしていくことを発表しました。
日本では、図書、新聞、雑誌、CD、DVD等の出版物は、国立国会図書館に保存され、
美術品や歴史、芸術、民俗、産業、自然科学等に関する資料は、美術館や博物館等に保存されています。
しかし、対象となっていない文化的な作品や資料に関しては、体系的な収集・保存が為されていませんでした。
政府は2月8日に「文化芸術の振興に関する基本的な方針」を閣議決定。
文化芸術に関する各種情報や資料の収集・保存、活用方法について、
国立国会図書館をはじめとする関係機関と連携することとしました。
そして、国立国会図書館と文化庁は、これまで収集・保存されてこなかった歴史的・文化的価値のある作品や資料について、
その所在情報の把握や目録の作成、収集・保存、活用等について、一層緊密な連携・協力を行っていく、
我が国の貴重な資料の次世代への確実な継承に関する協定を締結しました。
具体的には、マンガ、アニメーション、ゲーム等のメディア芸術についてアーカイブを構築すること。
音楽関係資料、楽譜についてデータベースを作成し国立国会図書館で公開すること。
そして、テレビやラジオの脚本・台本について両者が連携・協力して所在状況や保存方法等に冠する調査研究を行うと共に、
過去の重要な資料の保存について検討する、としています。
書籍として上梓されない脚本・台本について、これまで御座なりにされてきた中、
国が関与して保存に向かうというのは大きな前進と言えそうですが、
音楽やマンガについてはアーカイブやデータベースの構築を明言しているのに対し、
脚本・台本は「調査研究を行う」「保存について検討する」と曖昧な文言になっている点は気になるところです。
テレビなどの脚本については、制作が終わると棄てられてしまうことが多かったわけですが、
これらの脚本・台本を文化遺産・文化資源として収集保存しようと、
日本放送作家協会が中心となって日本脚本アーカイブズを創設。
現在も、脚本・台本の寄贈が受け付けられています。