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2010年12月15日

■東京都青少年の健全な育成に関する条例が可決

過激な性描写のある漫画やアニメを規制する、青少年健全育成条例改正案が15日の都議会本会議で可決、成立しました。

東京都の青少年の健全な育成に関する条例に関する改正案は、都が2月に議会に提出。
18歳未満と判断できる子供を描いたキャラクターを「非実在青少年」と定義、規制することを求めていたものの、
規制対象が曖昧などとして継続審議となり、6月の議会では否決されていました。

都は「非実在青少年」の文言を削除し、
強姦など社会規範に反する性行為を不当に賛美・誇張した描写がある図書などに規制対象を修正。
改正案を提出し、11月22日に公表されていました。
本日、改正案が可決されたため、2011年7月以降に発行される書籍より規定が適用されることとなります。

なお、この改正案については、日本劇作家協会も反対をアピールする声明文を12月6日に発表しています。
声明では、既婚者を除く十八歳未満の男女の性交が淫行条例に抵触する可能性があることから、
「ロミオとジュリエット」のように、低年齢者で親が反対し、
法にも社会規範にも反する恋愛と性交を描いた作品がどう判断されるのかを危惧。
さらに、漫画やアニメに規制が限定されているように報道されているものの、
「強姦等の著しく社会規範に反する性交」という規定があることから、映画や演劇も規制の対象となることを指摘。
例として強姦・売春といった内容を扱っている、鶴屋南北「桜姫東文章」、
テネシー・ウィリアムズ「欲望という名の電車」などを挙げて危惧を表明。
そして、既に過激な性描写などは自主規制の対象として青少年への閲覧は制限されている上、
児童ポルノも取り締まりの対象となっていることから、
あらゆる表現について「何が有害か」を国や自治体などの公権力が規定することには断固反対する、としています。

この日本劇作家協会の反対声明には、
12月8日付で日本シナリオ作家協会、10日付で日本脚本家連盟・日本劇団協議会、
11日付で日本舞台美術家協会が賛同を表明しています。


※2010/12/20追記
12月17日付けで「東京都青少年の健全な育成に関する条例の改定可決に抗議するアピール」が、
日本劇作家協会、日本劇団協議会、日本脚本家連盟、国際演劇評論家協会日本センター、
日本シナリオ作家協会、日本児童・青少年演劇劇団協同組合の連盟で発表されました。

アピールでは、今回の改定案には「刑罰法規に触れる性行為」「著しく社会規範に反する」といった、
判断基準が曖昧な文言が存在、慎重な運用を盛り込んだ付帯決議は当局に解釈の最良を与え、恣意的な判断を許すと批判。
第三者機関とされる審議会も、行政に人事権があるため運用主体が行政と警察となり、
出版・表現物に対して、監視する立場の「青少年・治安対策本部」がさらに優位な立場になるとしています。
出版社や販売者は不健全図書に指定されることを避け、過度の自主規制に走り、創作の制約に繋がるとし、
そもそも慎重に運用しなければならないような条例は不完全だと指摘。
今回の改訂に反対すると共に、不健全図書指定の審議会に対して市民への全面公開や
指定の取り消し、異議申し立て手続きの整備を強く求めています。

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「東京都青少年の健全な育成に関する条例が可決」奥付

  • Posted : 2010年12月15日 17:41
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