演劇ニュース

文化庁は21日、第65回(平成22年度)文化庁芸術祭賞を発表しました。
今年度は、10月2日から11月10日の期間、関東・関西で上演された
演劇48件、音楽39件、舞踊29件、大衆芸能41件の参加公演、
及び10月1日から11月30日の期間に放送されたテレビ・ドラマ18作品、
テレビ・ドキュメンタリー37作品、ラジオ24作品、並びにレコード30作品が参加。

演劇部門では、シアタープロジェクト・東京(TPT)が
10月21日から11月3日に東京芸術劇場で上演した「おそるべき親たち」が大賞を受賞。
演出：熊林弘高、脚本：木内宏昌、原作：ジャン・コクトー、
出演：佐藤オリエ/中嶋しゅう/麻実れい/満島真之介/中嶋朋子。
同作は、4人の実力派の緻密で柔軟な演技力と、1人の新人のピュアな力強さが拮抗し、
凄烈な共鳴を引き起こした舞台は、圧倒的な完成度の高さで他を圧していたとされ、
「希有な名舞台である」と結ばれるほど高い評価を得ています。

演劇部門新人賞には、城田優と柚希礼音が受賞。
城田優は、トリプルキャストの最年少で演じた「エリザベート」トート役、
柚希礼音は「宝塚花の踊り絵巻-秋の踊り-」、ミュージカル「愛と青春の旅だち」が評価され、
共に今後の活躍が期待できることが授賞理由に挙げられています。

その他、各部門受賞結果は以下のとおり。
贈呈式は、関西参加作品が2011年1月20日にホテルニューオータニ大阪、
関東参加作品が1月25日如水会館にて行われます。

また、文化庁メディア芸術祭実行委員会(文化庁・国立新美術館・CG-ARTS 協会)は8日、
「第14回(平成22年度)文化庁メディア芸術祭」の受賞作品を発表しています。
今年度は、アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門に、
世界49の国・地域から過去最多となる2,645作品が応募。
各部門受賞結果は以下のとおり。
なお、受賞作品をはじめとした全171作品を展示するイベントが
2011年2月2日〜2月13日、国立新美術館(サテライト会場:東京ミッドタウン)にて開催予定。

▼第65回文化庁芸術祭賞
演劇部門
大賞：有限会社シアタープロジェクト・東京(「おそるべき親たち」の成果)(関東)
優秀賞：山本泰太郎(第29回花影会における狂言「月見座頭」の演技)(関東)
優秀賞：大蔵流狂言善竹会(「平成22年度善竹狂言会」の成果)(関西)
優秀賞：南河内万歳一座(南河内万歳一座「ラブレター」の成果)(関西)
新人賞：城田優(「エリザベート」におけるトートの演技)(関東)
新人賞：柚希礼音(「宝塚歌劇星組公演」における演技)(関西)

音楽部門
大賞：クヮトロ・ピアチェーリ(「ショスタコーヴィチ・プロジェクトⅨ～」の成果)(関東)
優秀賞：高橋翠秋(「高橋翠秋胡弓の栞」の演奏)
優秀賞：沼尻竜典(沼尻竜典オペラセレクション「トリスタンとイゾルデ」（全3幕）の指揮)
優秀賞：田中勉(関西歌劇団第92回定期公演「リゴレット」における演技)
新人賞：佐藤俊介(「上野学園石橋メモリアルホール佐藤俊介バロック・ヴァイオリン・リサイタル」の成果)
新人賞：林裕(「林裕チェロリサイタル Cellist=Composer・Collection」の成果)

舞踊部門
大賞：有限会社谷桃子バレエ団研究所(谷桃子バレエ団創立60周年記念公演６「レ・ミゼラブル」の成果)
優秀賞：西川祐子(「日本舞踊のしおり"創" 祐子の会」の成果)
優秀賞：若柳吟寿々(「若柳吟寿々の会」の成果)
優秀賞：野間景(野間バレエ団第19回定期公演「ジゼル」（全幕）における演技)
新人賞：平富恵(平富恵スペイン舞踊公演「El Sueno Ⅱ ～夢～」の成果 )
新人賞：奥村康祐(2010年地主薫バレエ団「ドン・キホーテ」（全3幕）における演技)

大衆芸能部門
大賞：東京太・ゆめ子(「漫才大行進」における話芸)
優秀賞：桂小南治(「桂小南治の二席！！」の成果)
優秀賞：露の都(「第3回露の都落語会」の成果)
優秀賞：笑福亭鶴二(「第13回笑福亭鶴二独演会」の成果)
新人賞：春風亭一之輔(「まちのゆめ・まちのこころ・まちのことば」落語会における話芸)
新人賞：旭堂南湖(世話講談の会における「柳田格之進」の成果)

テレビ・ドラマ部門
大賞：株式会社WOWOW(ドラマＷスペシャル「なぜ君は絶望と闘えたのか」（後編）)
優秀賞：株式会社テレビ東京(テレビ東京開局45周年記念ドラマスペシャル「シューシャインボーイ」)
優秀賞：北海道テレビ放送株式会社(HTBスペシャルドラマ「ミエルヒ」)
優秀賞：日本放送協会名古屋放送局(NHKスペシャル「15歳の志願兵」)

テレビ・ドキュメンタリー部門
大賞：日本放送協会(ＮＨＫスペシャル「密使若泉敬沖縄返還の代償」)
優秀賞：富山テレビ放送株式会社(BBTスペシャル不可解な事実～黒部川ダム排砂問題～)
優秀賞：日本放送協会(ＮＨＫスペシャルふしぎがり ～まど・みちお百歳の詩～)
優秀賞：株式会社テレビ金沢(田舎のコンビニ ～一軒の商店から見た過疎の４年間～)

ラジオ部門
大賞：ドキュメンタリーの部：青森放送株式会社(高橋竹山生誕100年記念番組ラジオドキュメンタリー故郷の空に)
優秀賞：ドラマの部：日本放送協会(FMシアター 「薔薇のある家」)
優秀賞：ドラマの部：株式会社日経ラジオ社(いのちみつめてスペシャル「今日は死亡予定日」)
優秀賞：ドキュメンタリーの部：北日本放送株式会社(KNB報道スペシャル阿吽の呼吸の真実 ～生と死のはざまで～)

レコード部門
大賞：日本コロムビア株式会社(二世豊竹古靱太夫（山城少掾）義太夫名演集)
優秀賞：株式会社オフィスENZO(モノ＝ポリ)
優秀賞：有限会社ナミ・レコード(ブクステフーデ：ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ)
優秀賞：株式会社フォンテック(柴田南雄とその時代 第一期)

■演劇賞 | 芸術祭賞

▼第14回文化庁メディア芸術祭賞
アート部門
大賞：Cycloid-E(Michel DECOSTERD/Andre DECOSTERD(Cod.Act))
優秀賞：10番目の感傷(点・線・面)
優秀賞：The EyeWriter
優秀賞：NIGHT LESS
優秀賞：The Men In Grey
奨励賞：Succubus

エンターテインメント部門
大賞：IS Parade(林智彦/千房けん輔/小山智彦)
優秀賞：無限回廊　光と影の箱
優秀賞：アルクアラウンド／サカナクション
優秀賞：夏を待っていました／amazarashi
優秀賞：Tabio Slide Show
奨励賞：iPad magic

アニメーション部門
大賞：四畳半神話大系(湯浅政明)
優秀賞：カラフル
優秀賞：マイマイ新子と千年の魔法
優秀賞：フミコの告白
優秀賞：わからないブタ
奨励賞：The Wonder Hospital

マンガ部門
大賞：ヒストリエ(岩明均)
優秀賞：孤高の人
優秀賞：風雲児たち　幕末編
優秀賞：ぼくらの
優秀賞：レッド
奨励賞：うちの妻ってどうでしょう？

功労賞：栗原良幸(マンガ編集者)