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2010年9月23日
■映画「テンペスト」
シェイクスピア「テンペスト」が、ジュリー・テイモアの監督・脚本、ヘレン・ミレン主演で映画化、日本では2011年に公開予定です。
ウィリアム・シェイクスピア最後の作品と言われる「テンペスト」(The Tempest)。
これまでも幾度となく映画・舞台で上演されてきましたが、
執筆400周年を迎える2011年、映画として公開されます。
監督・脚本を務めるのは、「ライオンキング」「アクロス・ザ・ユニバース」
「ミュージカル「スパイダーマン」」のジュリー・テイモア(Julie Taymor)。
今回の映画では、肉親の陰謀によって国を追われたミラノ王・プロスペローを
女王・プロスペラーに置き換える独創的な解釈が見どころで、
この女王プロスペラー役はヘレン・ミレン(Helen Mirren)が演じています。
その他キャストは下記に。
映画「テンペスト(原題)」は、12月にアメリカで公開、日本では2011年初夏ロードショー。
なお、9月上旬に開催されていた第67回ベネチア国際映画祭の
アウト・オブ・コンペ部門クロージング作品として上映されています。
※2011/02/25追記
「The Tempest」が、邦題「テンペスト」で2011年6月に日本公開されることが決まりました。
※2011/04/04追記
映画公開日が6月11日に決まりました。
(C)2010 Miramax Films. All rights reserved. |
●映画「テンペスト」
原題:The Tempest
公開:2011/6/11
配給:東北新社/アメリカ映画
監督・脚本:ジュリー・テイモア
原作:ウィリアム・シェイクスピア
音楽:エリオット・ゴールデンサール
撮影:スチュアート・ドライバーグ
衣裳:サンディ・パウエル
美術:マーク・フリードバーグ
出演:ヘレン・ミレン/トム・コンティ/デヴィッド・ストラザーン/ジャイモン・フンスー/アルフレッド・モリナ/ベン・ウィショー/ラッセル・ブランド/フェリシティ・ジョーンズ/リーヴ・カーニー/アラン・カミング/クリス・クーパー
2010/英語/110分/シネスコ
作品概要
ナポリ王アロンゾー、ミラノ大公アントーニオらを乗せた船が大嵐に遭い難破、一行は絶海の孤島に漂着する。
その島には12年前に弟アントーニオによって大公の地位を追われ追放されたプロスペラーと娘ミランダが魔法と学問を研究して暮らしていた。
船を襲った嵐は、12年前の復讐をするために、プロスペラーが手下の妖精エアリエルに命じて用いた魔法の力によるものだった。
シェイクスピア最後の作品であり最も想像力に満ちた「テンペスト」が
執筆400周年を迎える2011年、主人公を女性に変えてに新たに蘇る!
キャスト
プロスペラー:ヘレン・ミレン(Helen Mirren)
ゴンザロ:トム・コンティ(Tom Conti)
ステファーノ:アルフレッド・モリナ(Alfred Molina)
プロスペローの娘ミランダ役:フェリシティ・ジョーンズ(Felicity Jones)
妖精アリエル:ベン・ウィショー(Ben Whishaw)
怪物キャリバン:ジャイモン・フンスー(Djimon Hounsou)
ナポリ王アロンゾー:デヴィッド・ストラザーン(David Strathairn)
ナポリ王弟セバスティアン:アラン・カミング(Alan Cumming)
王子ファーディナンド:リーヴ・カーニー(Reeve Carney)
ミラノ大公アントーニオ:クリス・クーパー(Chris Cooper)
トリンキュロー:ラッセル・ブランド(Russell Brand)
●テンペスト (白水Uブックス)小田島雄志 翻訳
●テンペスト (ちくま文庫)松岡和子 翻訳
第67回ベネチア国際映画祭『テンペスト』記者会見
■監督:ジュリー・テイモア
オフ・ブロードウェイで演出して以来「テンペスト」に惚れ込んでしまった。
シェイクスピアの戯曲はどれもとても豊かで、時代に限らず、監督・演者それぞれ個人的に解釈することができる。
プロスペローを女性として描いたものは今まで作られていなかったように思ったし、新しい「テンペスト」が出現する余地があると思った。
またシェイクスピアの中でも最も視覚的なところも魅力的な作品です。
■ヘレン・ミレン
シェイクスピアがきっかけで女優を目指すようになったくらい大好きなの。
そのときはキャリバン(奴隷)の役だったけど(笑)。
以前からプロスペローは女性が演じてもいいんじゃないかと思っていて、ジュリーと同じことを考えていました。
今回は台詞がすべて頭に入った完璧な状態で臨まなければと思っていたので2ヶ月間台本を片手に丸々頭に入れました。
そんなの人生初めてで、自分にそんなことができるとは夢にも思わなかったわ!
『テンペスト』主演ヘレン・ミレンとジュリー・テイモア監督から日本へメッセージ
■監督:ジュリー・テイモア
親愛なる日本の皆さまへ
この困難な時期において、日本の方々に心よりお見舞い申し上げます。
日本の皆様が美しい国を再建させるなかで、より絆を深め、心の平和を見出すことができますように。
心をこめて
■ヘレン・ミレン
非常に困難なこの試練の時における日本の方々の勇気と気高さに、私がどれほど深く心を動かされているかをお伝えしたいと思います。
困難極まりないときにこそ、人間の本質が現れるものです。世界中が日本の方々の大きな苦しみを、深い悲しみをもって見守っていますが、同時にこれほど深遠な精神の崇高さを示す国民とその文化への尊敬の念は、日ごとに増すばかりです。
私はこれまでのキャリアの中で、シェイクスピア劇を数多く演じてきましたが、彼は人生というもののあらゆる様相を理解していました。
以下は映画『テンペスト』の中で、私が演じるプロスペラの言葉の1つです。人生やこの世の無常を表現しているものです。
余興はもう終わりだ。
今の役者たちは、さっきも言ったように、みな妖精だ、そしてもう空気に溶けてしまった、希薄な空気に。
だが礎(いしずえ)を欠く今の幻影と同じように、雲を頂く高い塔、豪華な宮殿、
荘厳な寺院、巨大な地球そのものも、そうとも、この地上のありとあらゆるものはやがて融け去り、
あの実体のない仮面劇がはかなく消えていたように、あとにはひとすじの雲も残らない。
我々は夢と同じ糸で織り上げられている。
ささやかな一生をしめくくるのは眠りなのだ。
(ウィリアム・シェイクスピア「テンペスト」の一節/訳:松岡和子)
日本の方々はこの言葉を、今、誰よりも深く理解されるに違いありません。世界中の人々が愛と哀悼の意を捧げています。
そして日本が強さと勇気と未来への決意をもって、この悲劇を乗り越えられることを確信しております。