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2010年4月11日
■井上ひさしが他界
劇作家の井上ひさしが、肺がんのため4月9日に死去していたことが明らかになりました。
井上ひさしは、1934年11月17日、山形県生まれ。
上智大学在学中から浅草のフランス座を中心に戯曲を書き始め、卒業後は放送作家として活動。
1964年からNHKで放送された人形劇「ひょっこりひょうたん島」で評価を高め、
1971年にテアトル・エコーで上演された「道元の冒険」で
第17回岸田國士戯曲賞や芸術選奨新人賞を受賞。
1972年には小説「手鎖心中」で直木賞受賞、
1973年から雑誌連載で発表した長編小説「吉里吉里人」では、
日本SF大賞・読売文学賞など数々の文学賞を受賞しています。
1984年には、自身の戯曲のみを専門に上演する劇団「こまつ座」を旗揚げ。
上演された代表作に1986年「国語元年」、1994年「父と暮せば」などがあり、
今年2月に上演された「シャンハイムーン」が第89回公演と、座の上演回数も重ねられています。
しかし、7月18日から紀伊國屋サザンシアターで上演予定だった新作「木の上の軍隊」は、
2009年11月に見つかった肺がんの治療のため、公演の延期が発表されたばかりでした。
井上ひさしは、遅筆やヘビースモーカーなどでも知られた他、
エッセーなどでは「言葉」や「日本語」についても数多く取り上げていました。
また、大江健三郎などと共に「九条の会」の呼びかけ人の1人であり、
自作でも昭和天皇の戦争責任を問うなど、左派的な反戦・平和運動にも積極的でした。
現在、鵜山仁が芸術監督を務める新国立劇場では、
井上ひさし作「東京裁判3部作」の連続上演が行われています。
3部作は前芸術監督の栗山民也の企画・演出で
第1作「夢の裂け目」が2001年、第2作「夢の泪」が2003年、
第3作「夢の痂」が2006年にそれぞれ初演。
今回は4月から6月にかけて、各演目が約3週間ずつ連続で上演されるものです。
●こまつ座「シャンハイムーン」
日程:2010/2/22〜3/07 紀伊國屋サザンシアター(東京)
2010/3/20 兵庫県立芸術文化センター(兵庫)
演出:丹野郁弓
脚本:井上ひさし
出演:村井国夫/小嶋尚樹/梨本謙次郎/土屋良太/増子倭文江/有森也実
●「ムサシ」ロンドン・NYバージョン
日程:2010/5/15〜6/10 彩の国さいたま芸術劇場(埼玉)
演出:蜷川幸雄
脚本:井上ひさし(吉川英治「宮本武蔵」より)
音楽:宮川彬良
出演:藤原竜也/勝地涼/鈴木杏/六平直政/吉田鋼太郎/白石加代子
チケット:[埼玉]
●東京裁判三部作 第一部「夢の裂け目」
日程:2010/4/8〜4/28 新国立劇場 小劇場(東京)
演出:栗山民也
脚本:井上ひさし
出演:角野卓造/高橋克実/大鷹明良/石井一孝/木場勝己/土居裕子/藤谷美紀/熊谷真実/キムラ緑子
チケット:[東京]
●東京裁判三部作 第二部「夢の泪」
日程:2010/5/6〜5/23 新国立劇場(東京)
演出:栗山民也
脚本:井上ひさし
出演:辻萬長/小林隆/福本伸一/石田圭祐/木場勝己/三田和代/大和田美帆/土居裕子/春風ひとみ
チケット:[東京]
●東京裁判三部作 第三部「夢の痂」
日程:2010/6/3〜6/20 新国立劇場(東京)
演出:栗山民也
脚本:井上ひさし
出演:角野卓造/小林隆/福本伸一/石田圭祐/辻萬長/三田和代/藤谷美紀/神野三鈴/熊谷真実
チケット:[東京]
▼シナリオリーグ 井上ひさし戯曲
■兄おとうと
■表裏源内蛙合戦
■太鼓たたいて笛ふいて
■父と暮せば
■日本人のへそ
■國語元年
■夢の泪
※追記
井上ひさし追悼番組の放送が続々と発表されています。
▼4/21 17:00〜 wowow 「ムサシ」
(演出:蜷川幸雄、脚本:井上ひさし、出演:藤原竜也/小栗旬/鈴木杏)
▼4/25 16:25〜17:15 NHK総合 「追悼 井上ひさしさん」
▼4/29 8:00〜9:33 NHK BShi 100年インタビュー アンコール「井上ひさし」
▼5/1 22:45〜1:50 NHK BShi プレミアムシアター こまつ座&ホリプロ「組曲 虐殺」
(演出:栗山民也、脚本:井上ひさし、音楽:小曽根真、出演:井上芳雄/石原さとみ/山本龍二/山崎一/神野三鈴/高畑淳子 )
2009/10 天王洲 銀河劇場(東京)
▼5/10 0:40〜 NHK BS2 プレミアムシアター こまつ座&ホリプロ「組曲 虐殺」