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2010年2月 3日

■Gマークポータブル

産経新聞が、公演でipodに字幕を表示する「Gマークポータブル」について記事にしています。

「Gマークポータブル」は、
歌舞伎のイヤホンガイドでお馴染みの(株)イヤホンガイドが提供する
無線のポータブル字幕機サービス。
海外公演や来日公演で用いられる、LEDやプロジェクターを使った字幕が
「Gマークシステム」と呼ばれるもので、
それを手元のipod touchに配信するのがこのサービスです。

オフィシャルサイトの紹介に拠ると、このポータブル字幕機サービスは、
8チャンネルの切り替えが可能なため、
例えば英語圏以外の言語を用意したり、
お年寄り向けに大きな文字のチャンネルを用意したりすることができるとのこと。

昨年8月の東京芸術劇場(東京・池袋)の「ザ・ダイバー」公演で初導入。
以後、10月の「奇跡の人」、 今年1月のミュージカル「ウーマン・イン・ホワイト」の計3公演で、 チケット代のみで試験的にサービスを提供している。

字幕は台詞に合わせて表示するため、
「奇跡の人」では表示を出すタイミングが1000回以上あったが、
オペレーターも稽古(けいこ)に参加して訓練。
ミュージカルでは歌詞の前に「♪」を入れ、
効果音は括弧に収めるなど視覚だけでは分からない部分にも対応した。
一方で、客席で目立たないように画面は暗めに設定し、
プライバシーフィルターを張るなどの配慮も行った。

こうした試みに認知度も徐々に上がり、
「ザ・ダイバー」で延べ6人だった利用者は「奇跡の人」では36人と増加。
利用者のほとんどから、「字幕システムのおかげで演劇を楽しめた」との声が上がった。
このほか「出演者ごとに色を変えて表示してほしい」「腕が疲れる」などの要望もあった。

過去、聴覚障害者向けにパソコンで字幕を表示するサービスを行う劇団もあったが、手間とコストが課題だった。
新システムもコスト面が課題だが、将来的には利用者個人の「iPod touch」や「iPhone(アイフォーン)」への有料配信を検討。
久門社長は「大がかりなインフラ整備は不要で、低コスト運用も可能。
マイノリティーの方が舞台や映画を楽しめるビジネスモデルになればよい」としている。(飯塚友子)

「iPod使った"バリアフリー舞台"が好評」:イザ!


演劇やミュージカルの公演における字幕は、
聴覚に障害のある方のためというのはもちろんですが、
これからの時代、言語の壁を破るという点においても重要そうです。

日本では、日本語を解する人だけを対象に日本語で公演が行われてきましたが、
ブロードウェイなど世界中から観光客が集まるような公演では、
複数の言語に対応できるようになっていますし、
また逆に海外で公演を行うことを考えても、こうした対策は必要に迫られてきそうです。

記事にあるように、運営側のコスト面はもちろん、
他の観客への明かり漏れなど、クリアすべき問題はたくさんありそうですが、
障害のある方や日本語がわからない方でも
舞台を楽しむことができるよう改良されていくことを願いたいところです。

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「Gマークポータブル」奥付

  • Posted : 2010年2月 3日 20:26
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