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2010年2月21日

■第60回ベルリン国際映画祭

映画「キャタピラー」に主演した寺島しのぶが、
第60回ベルリン国際映画祭コンペティション部門で最優秀女優賞(銀熊賞)を受賞しました。

60回目となるベルリン国際映画祭コンペティション部門に出品されていた
若松孝二監督「キャタピラー (CATERPILLAR)」。
この映画は、江戸川乱歩の「芋虫」を原作にしたもので、
戦争で体が不自由になった夫と、夫を虐げることに悦びを感じる妻を描いた作品。
映画では、妻役を寺島しのぶ、夫役を大西信満が務め、
見事に寺島しのぶが最優秀女優賞の銀熊賞(Silver Bear)に輝きました。

ベルリン国際映画祭で女優賞を受賞するのは、
1964年「にっぽん昆虫記」(今村昌平監督)、「彼女と彼」(羽仁進監督)の左幸子、
1975年「サンダカン八番娼館 望郷」(熊井啓監督)の田中絹代に続いて3人目。
寺島しのぶは、「血は立ったまま眠っている」東京公演が幕を下ろした16日の後にベルリンに赴いたものの、
21日からは大阪公演が始まるために帰国。
授賞式では、若松監督が代理を務めたということです。
なお、若松孝二監督作品は、2008年の第58回ベルリン国際映画祭でも
実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」でアジア映画賞を受賞しています。

今回の映画祭は、コンペ部門以外でも例年以上に日本映画の上映が多く、
クロージング作品に、日本では1/30公開の「おとうと」
(監督:山田洋次、脚本:平松恵美子/山田洋次、出演:吉永小百合/笑福亭鶴瓶/蒼井優/加瀬亮)が選ばれ、
山田洋次監督は、映画祭の特別功労賞「ベルリナーレ・カメラ」を受賞しています。
これを受賞するのは、2000年の市川崑監督、2001年の熊井啓監督に続き、日本人では9年ぶり3人目。
山田洋次監督の「京都太秦恋物語(仮題)」と、
島津保次郎監督の「浅草の灯」「愛より愛へ」「婚約三羽烏」は特別上映も行われています。

またフォーラム部門では、大森たつし監督「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」、
SABU監督「蟹工船」、石井裕也監督「川の底からこんにちは」と3本の日本映画が選出。
さらにパノラマ部門には、中村義洋監督「ゴールデンスランバー」と
行定勲監督「パレード」が選出され、「パレード」は同部門の国際批評家連盟賞受賞作に選ばれています。

第60回ベルリン国際映画祭(Berlin Film Festival)は、2月11日から21日まで開催。
今回の審査委員長はドイツ人映画監督ヴェルナー・ヘルツォーク(Werner Herzog)でした。


▼第60回ベルリン国際映画祭
金熊賞:「Honey」セミー・カプラノール監督
銀熊賞:審査員賞:「If I Want To Whistle, I Whistle」フローリン・サーバン監督
銀熊賞:監督賞:ロマン・ポランスキー監督「The Ghost Writer」
銀熊賞:女優賞:寺島しのぶ「キャタピラー」(若松孝二監督)
銀熊賞:男優賞:Grigory Dobrygin / Sergei Puskepalis「How I Ended This Summer」
銀熊賞:芸術貢献賞(カメラ):Pavel Kostomarov「How I Ended This Summer」
銀熊賞:脚本賞:Wang Quan'an / Na Jin「Apart Together」(ワン・チュアンアン監督「再会の食卓」)
Alfred Bauer Prize:「If I Want To Whistle, I Whistle」


「キャタピラー」
公開:2010/8/15
監督:若松孝二
脚本:黒沢久子/出口出
出演:寺島しのぶ/大西信満/吉澤健/粕谷圭吾/増田恵美/河原さぶ/石川真希/飯島大介/安部魔凛碧/寺田万里子/ARATA/篠原勝之/小倉一郎

「再会の食卓」
公開:2011/2/5
英題:APART TOGETHER
配給:GAGA/中国映画
監督:ワン・チュエンアン
脚本:ワン・チュエンアン/ナ・ジン
出演:リン・フォン/リサ・ルー/シュー・ツァイゲン/モニカ・モー

ベルリン国際映画祭 オフィシャルサイト
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「第60回ベルリン国際映画祭」奥付

  • Posted : 2010年2月21日 06:24
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