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2009年12月12日
■NHKオンデマンド開始1年
NHKの動画配信サービス「NHKオンデマンド」が開設1年を経過しましたが、利用者数は伸びず、大幅な赤字が続いているそうです。
会員は約25万6000人(11月末現在のパソコン利用者)に達したが、
今年度上半期の支出10億円に対し、収入は1億円と大幅な赤字の状態が続いており、利便性向上に向けた模索が続いている。パソコン利用の会員は25万人を超えたが、月に1本以上の番組を購入する利用者は約2万人。
ケーブルテレビなどを通しての月1本以上の購入者を合わせても約4万人にすぎない。
そのため、NHKは視聴料金の値下げや「見逃し番組」の対象期間を10日から14日に拡大することを検討。
しかし、無料動画サイトの利用者増加と呼応するように、有料サービスの利用者は頭打ちで、苦戦は続きそうだ。
NHKオンデマンド、開始1年で大幅赤字 | 読売新聞
過去の番組を1作315円程で配信する「特選ライブラリー」の記事中にある視聴回数ランキングを見ると、
1位は「ちゅらさん」で34,514回。
2位「NHKスペシャル 沸騰都市 第1回ドバイ」で22,311回。
以下5位までを無料配信のコンテンツが占めており、
有料の番組では6位「ハゲタカ」11,600回がトップとなっています。
一方、月額1,470円で約10日前までの番組を見られる「見逃し番組 見放題パック」では、
1位が「NHKスペシャル 永田町・権力の興亡 第1回」で3,469回。
とても、多くの視聴者を集めているとは言い難い数字なのがわかりますね。
ここまで利用者が伸びない原因に、「受信料で作られた番組を配信するのになぜ有料なのか」という点もあると思いますが、
動作環境がWindows Vista/XP、Internet Explorer 6.0以降、
Windows Media Player 10以上に限定されているのも大きいと思われます。
YouTubeなどの動画共有サイトがほとんど環境を選ばず、
GyaOなどもFlashでMacにも対応してきたことを考えても、
かなり旧態依然としたシステムであることは否めない感があります。
NHKオンデマンドのスタッフblogでは、2010年4月以降、動画の配信形式をFlash Video形式に改め、
配信ビットレートも現在の768kbpsと1.5Mbpsに加えて、384kbpsを追加することを表明しました。
動作環境などの詳細は未発表ですが、これによりFirefoxやMacからも視聴可能になる可能性が高いと思われます。
また、「特選ライブラリー」では「大河ドラマ 篤姫」「ドラマスペシャル白洲次郎」を2010年1月から配信開始。
2010年2月にカナダ・バンクーバーで開幕する「第21回冬季オリンピック」では、NHK総合テレビの中継番組を放送後12時間以内に配信する予定とのこと。
併せて、見逃し配信も見放題パックに加え、315円で24時間視聴可能な単品購入にも対応するということです。
開設から1年以上が経過し、少しずつ常識的な動画配信サイトに近づいてきているようですが、
利益が出るほどに利用者を増加させることができるでしょうか。
また受信料を無駄に使っただけだった、という結果が残ることにならなければ良いのですが。
●NHKオンデマンド
■オンライン動画配信サイトリンク集