演劇ニュース

イブニング・スタンダード・アワード(Evening Standard Theatre Awards)は、1955年に創設されたイギリス・ウエストエンドの演劇賞。
地元の新聞社イブニング・スタンダード紙による賞で、毎年功績のあった舞台作品や演劇人を表彰しています。

55回目となる今年も、23日に同賞が発表され、ロンドン・ショアディッチ(Shoreditch)にあるCordy Houseで
6/15〜7/12に上演されていた「ミンスミート(Mincemeat)」舞台美術の入口衛(Mamoru Iriguchi)が、デザイン賞を受賞しました。

「Mincemeat」を上演したCardboard Citizensは、イギリスのホームレスの人たちによるプロ劇団、
上演されていた劇場Cordy Houseは、いわゆるオフ・ウエストエンドの小劇場。
劇作はAdrian JacksonとFarhana Sheikhで、
来春、英語のペーパーバック「Mincemeat」が発売予定となっています。

入口衛オフィシャルサイトのabout meを見ると、
シアター・デザイナー、グラフィック・デザイナー、パフォーマンス・メーカーとありますが、元々は動物学者とのこと。
劇団一座サイトの紹介文に拠ると、日本では鈴木忠志主宰の劇団スコットに所属。
海外で日本伝統演劇を教え、バーンズにあるセントポールスクールの舞台美術家レジデンシーに。
劇団 Mapping4D の中心メンバーで、同劇団のすべての美術を担当しているということです。
その他、今回のイブニング・スタンダード・アワード受賞結果は以下のとおり。

▼第55回イブニング・スタンダード・アワード
作品賞：「エルサレム」ジェズ・バターワース
男優賞：マーク・ライランス「エルサレム」
女優賞：レイチェル・ワイズ「欲望という名の電車」
演出家賞：ルパート・グールド「エンロン」
ミュージカル作品賞：「ハロー・ドーリー」
デザイン賞：入口衛「ミンスミート」
脚本賞：アリア・バーノ「シェード」
新人賞：レニー・ヘンリー「オセロ」
特別賞：イアン・マッケラン

●Cardboard Citizens「Mincemeat」
上演：2009/6/15〜7/12　Cordy House, Shoreditch
演出：Adrian Jackson
脚本：Adrian Jackson & Farhana Sheikh
美術：Mamoru Iriguchi
照明：Zerlina Hughes
音楽：David Baird

※追記
Cardboard Citizensのtwitterに、入口衛受賞の写真が掲載されました。