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2009年9月26日
■第21回高松宮殿下記念世界文化賞
24日に第21回高松宮殿下記念世界文化賞が発表され、演劇・映像部門では戯曲家のトム・ストッパードが受賞しました。
高松宮殿下記念世界文化賞(Praemium Imperiale)は、財団法人日本美術協会によって1988年に創設された芸術の賞。
毎年、様々な芸術の分野で業績を上げた芸術家に授与されています。
そして、24日に第21回目となる同賞が発表され、演劇・映像部門では戯曲家のトム・ストッパードが受賞を果たしました。
その他の結果は以下の通り。授賞式は10月22日、東京・元赤坂の明治記念館で。賞金各1500万円。
●第21回高松宮殿下記念世界文化賞
演劇・映像部門:トム・ストッパード(72)
絵画部門:杉本博司(61)
彫刻部門:リチャード・ロング(64)
建築部門:ザハ・ハディド(58)
音楽部門:アルフレート・ブレンデル(78)
トム・ストッパード(Tom Stoppard)は、舞台と映画の両ジャンルで活躍するイギリスの劇作家。
代表作としては、シェイクスピアの「ハムレット」に登場する端役
ローゼンクランツとギルデンスターンを主人公に据え、
ハムレットに出てくる台詞をそのままタイトルにした喜劇
「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」
(Rosencrantz and Guildenstern Are Dead)が最も有名ではないでしょうか。
同作は、1966年にエディンバラ・フェスティバル(Edinburgh Festival Fringe)で初演され、
1990年にはストッパード自身が監督を務めて映画化。
同年のベネチア国際映画祭では金獅子賞を受賞しています。
その他、ロンドンで初演された舞台では1993年「アルカディア」(ARCADIA)、
2006年の「ロックンロール」(Rock 'n' Roll)など。
最近のブロードウェイ・プロダクションの代表的な作品としては、
2006年初演で、トニー賞7部門を制覇した「コースト・オブ・ユートピア(COAST of UTOPIA)」があります。
同作は、蜷川幸雄の演出で現在Bunkamuraシアターコクーンにて
日本版「コースト・オブ・ユートピア」が上演中。
映画では、アカデミー賞を受賞した「恋に落ちたシェイクスピア(Shakespeare in Love)」
「未来世紀ブラジル(Brazil)」「エニグマ(Enigma)」などがあります。
このように、現代を代表する劇作家の1人といえるストッパードですが、
残念なことに、日本語に翻訳されて出版されている戯曲は
「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」(翻訳:松岡和子)、
「恋におちたシェイクスピア - シナリオ対訳」(翻訳:藤田真利子)がある程度。
その他には、1981年に英潮社から発売された「現代演劇」の5巻で
ストッパードの特集が組まれており、
戯曲「夜も昼も」(Night and Day)が収録されている模様です。
●映画「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」
公開:1990
監督:トム・ストッパード
脚本:トム・ストッパード「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」
出演:ゲイリー・オールドマン/ティム・ロス/リチャード・ドレイファス
DVD:ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ
●映画「恋におちたシェイクスピア」
公開:1998
監督:ジョン・マッデン
脚本:トム・ストッパード/マーク・ノーマン「恋におちたシェイクスピア」
出演:グウィネス・パルトロウ/コリン・ファース/ジョセフ・ファインズ/ジェフリー・ラッシュ/ベン・アフレック
DVD:恋におちたシェイクスピア
●映画「未来世紀ブラジル」
公開:1985
監督:テリー・ギリアム
脚本:トム・ストッパード/チャールズ・マッケオン/テリー・ギリアム
出演:ジョナサン・プライス/ロバート・デ・ニーロ/マイケル・ペイリン
DVD:未来世紀ブラジル