演劇ニュース

「A Steady Rain」(ステディ・レイン=絶え間なく降る雨)は、アメリカの劇作家キース・ハフ(Keith Huff)の脚本、
ジョン・クロウリー(John Crowley)演出のストレート劇の舞台。(このジョン・クロウリーは、同名の作家とは別人です。)

この作品は、友人同士の2人が事件をきっかけに友情を試されるという物語で、登場人物は共にシカゴの警官役の2人だけ。
公開された舞台写真を見ても舞台上にはほとんどセットがなく、わずかに机と椅子が置かれているばかりとなっており、
非常に演技力の問われるであろう会話劇の2人芝居となっています。

この「A Steady Rain」に出演しているのは、ヒュー・ジャックマン(Hugh Jackman)とダニエル・クレイグ(Daniel Craig)。
共に映画俳優として世界的に有名な2人ですが、ヒュー・ジャックマンはミュージカル「ボーイ・フロム・オズ(The Boy from Oz)」で、
2004年のトニー賞主演男優賞を受賞するなど、ブロードウェイでも活躍中。
ダニエル・クレイグは、これがブロードウェイ・デビューとなりますが、以前ウエストエンドで舞台に立っています。

公演は、ブロードウェイのジェラルドショーンフェルド劇場(Gerald Schoenfeld Theatre)で、
9月10日からプレビューが開始、9月29日に本公演が開幕したばかりなのですが、
ブロードウェイのストレート劇(ミュージカル以外の舞台)における記録的な成功を収める公演になる見込みとなっているようです。

前売りチケットの段階でも、数々のブロードウェイ・ミュージカルを抑え、
Box Officeの売上げトップ3に入る快挙を見せた同作は、
プレビュー公演からの開幕1週間で約117万ドルの興行収入を達成したと発表されました。
これは2004年ビリー・クリスタル(Billy Crystal)「700 Sundays」の約106万ドルという記録を抜き、
ブロードウェイでミュージカル以外の作品における歴代新記録ということです。
アメリカでの報道を見ると、最終的には前述の「700 Sundays」や、
ジュリア・ロバーツ(Julia Roberts)のブロードウェイ・デビュー作となった
「Three Days of Rain」などを凌ぐ記録を樹立するのではないかと期待されています。

また、現地各メディアの報道に拠ると、公演の本番中、客席で携帯電話が鳴り始めてしまうアクシデントがあり、
ヒュー・ジャックマンは芝居を止め、電話に出ることを促す一幕があったそうです。
さらに、このシーンの動画がアメリカのゴシップサイトTMZに掲載、YouTubeにも転載されてしまっています。
2人は役を演じたまま電話の主に注意を続け、客席は拍手喝采。役者としてさすがの力量を見せてくれたということです。

●「A Steady Rain」
日程：2009/09/29〜12/6　Gerald Schoenfeld Theatre
演出：John Crowley
脚本：Keith Huff「A Steady Rain」
出演：Hugh Jackman/Daniel Craig
[A STEADY RAIN - Official Site