広告

2009年8月14日

■熱血先生と演劇準優勝

先日行われた全国高校総合文化祭の演劇部門で文化庁長官賞に輝いた、
千葉県立松戸馬橋高等学校の演劇部の記事が読売新聞千葉版に掲載されています。

高校野球の甲子園大会と同じように、
文科系の全国大会、全国高校総合文化祭が全国を渡り歩きながら開催されています。
演劇部門では、各地域のブロック大会を勝ち抜いた12校が全国高総文祭に出場し、
うち1校に最高賞となる文部科学大臣賞、3校に次点となる文化庁長官賞が授与され、
この4校は、8月末に国立劇場で開催される優秀校東京公演に出場することができます。

今年の高総文祭、第33回全国高等学校総合文化祭は三重県で開催され、
初出場となる千葉県立松戸馬橋高等学校が文化庁長官賞を受賞。
見事、優秀校東京公演へと駒を進めており、
今日の読売新聞朝刊・千葉版が、同校演劇部と顧問の土田峰人教諭についての記事を掲載しています。

県立高で36年間演劇部を指導してきた生物教諭の土田峰人さん(59)にとって、 定年を来春に控えた「最後の夏」で、かつての教え子も協力して有終の美を飾った。

演目は野田秀樹作の「赤鬼」。
昨年11月の県大会、今年1月の関東大会でいずれも最優秀賞を受賞し、
県勢でも6年ぶりに全国大会へコマを進めた。

土田さんが同校に転任したのは2004年。
熱く厳しい指導で知られ、それまでに白里、船橋二和、船橋旭の各校を計10回の全国大会に導き、
船橋二和では3回、全国優勝(最優秀賞)に輝くなど実績を残していた。

だが、基礎体力作りから始まり、立ちげいこでは容赦ない叱責(しっせき)や何度も繰り返させる指導に、退部者が続出。
6人いた部員は一時1人にまで減り、日々の部活動もままならなくなった。
それでも05年、一度は引退した3年生2人が加わった3人芝居が県大会で最優秀賞を受賞すると、部員も増え始めた。

県大会から年度をまたぐ全国大会は、メンバーの卒業のため「あの女」役など配役を変えたが、大会直前の今年7月22日、松戸市民会館で行った上演は、「ひどい出来」だったという。来場者の感想は「声が聞こえない」「伝わってこない」と厳しい内容が目立った。

その日から、上演を見た土田さんの元教え子らが、船橋旭や船橋二和などの出身校を超えて自発的に協力を始めた。
出演者に演技の欠点を指摘したり、基本に立ち返ったボイスレッスンをしたり。

「生徒たちも、短期間でよくつかんでくれた。大会にようやく間に合った」と土田さん。
今月2日まで開催された全国大会では「無駄がなく緻密(ちみつ)」「宇宙を感じられた」などと審査員の評価を受けた。

主人公「あの女」役の菊地加穂さん(3年)は「準備期間が短く、プレッシャーが大きかったが、全力でやりきれた」といい、
前部長の後上考平君(3年)は「多くの人に支えられ、みんなの心が一つになれた。先生も最後なので1位になりたかった」と話した。

熱血先生と演劇準優勝 : 千葉 : 読売新聞


文面から察するに、松戸馬橋高校はさほど演劇部が盛んな様子ではなく、
そんな中、全国でも上位に入賞するとは、ちょっとした快挙といった印象ですね。

そして、土田教諭が各校で過去にここまで優秀な成績を収めているというのは、驚異的な感も。
県立高で教鞭を執ってきたということですから、
おそらく一般的な部活動の顧問として活動してきただけであろうと予想できるだけに、
その指導・演出法が素晴らしいものなのでしょうね。
教師としては来春で定年ということですが、
退職後も演劇界で何かしらの指導者として、活動してくださることを願いたいところですね。

関連する演劇・ミュージカルニュース

「熱血先生と演劇準優勝」奥付

  • Posted : 2009年8月14日 18:52
  • Tag : /
  • Prev : « 宝塚歌劇花組「相棒」
  • Next : 映画「南極料理人」 »
  • Category : Notebook | 演劇ニュース | シアターリーグ