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2009年7月16日
■芸能人年金廃止
芸団協が運営する芸能人の年金制度が廃止されたそうです。
芸団協(社団法人日本芸能実演家団体協議会)は、1965年に設立。
俳優や歌手など72団体で構成され、約95,000人が加盟する業界団体です。
1973年4月に私的年金制度「芸能人年金(芸能人年金共済制度)」を開始し、
報道に拠ると、今年5月末現在で加入者2,859人、受給者2,158人。
この芸能人年金が、今年6月をもって廃止されたと大手新聞各社が報道しています。
各社の報道をまとめると、2006年に実施された改正保険業法により芸能人年金も規制対象となり、
さらに2008年から実施された公益法人制度で芸団協が新法人に移行すると文科省の監督を外れたため、
存続するには保険会社として基準をクリアしなければならなくなったとのこと。
事実上、保険会社に転向するのが困難なのは当然な上、
掛け金を運用していた金融資産が昨今の金融危機で価値が急落。
今年5月末時点でピーク時の2/3にあたる約100億円となり、
加入者・受給者に掛け金だけを返済する場合の約98億円とほぼ同額となったため、
返済が可能な現時点で廃止を決定したということです。
芸能人年金は、収入が不安定な役者や歌手の生活実態に合わせ、
掛け金を増減できるような仕組みになっていたそうで、
これがネックになって既存の保険会社にも受け継いでもらえなかったとのこと。
朝日新聞は、俳優の大林丈史・芸団協専務理事の
「大変無念だが運営を続ける方法がない。国はなぜ、私たちのような"助け合い年金"まで廃止に追い込むのか」
というコメントを掲載し、記事を結んでいます。