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2009年5月23日
■「コースト・オブ・ユートピア」蜷川幸雄演出
上演時間9時間に上る超大作「コースト・オブ・ユートピア」が、蜷川幸雄の演出で9月に日本初演されます。
「コースト・オブ・ユートピア」(The Coast of Utopia)は、
「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」「恋に落ちたシェイクスピア」などで知られる
トム・ストッパード(Tom Stoppard)の大歴史叙事詩。
2002年6月にトレヴァー・ナン(Trevor Nunn)の演出で、ロンドンのオリバー・シアター(Royal National Theatre)で初演。
2006年にはジャック・オブライエン(Jack O'Brien)の演出で、ニューヨークのリンカーンセンター(Lincoln Center)で上演されると、
2007年のトニー賞では作品賞・演出賞をはじめ、
ビリー・クラダップ(Billy Crudup)・ジェニファー・エール(Jennifer Ehle)が揃って助演賞を受賞するなど、全7部門で受賞を果たしています。
物語は、1833〜1866年というロシア革命前の19世紀ロシアを舞台に、理想的な社会の実現を夢見る若者たちを描いたもの。
30年という長い年月を描いており、舞台では登場人物70名、1部3時間程の3部構成で、合計上演時間は約9時間という超大作になっています。
この「コースト・オブ・ユートピア」が、Bunkamura20周年記念特別企画として、蜷川幸雄の演出で9月に日本初演されます。
キャストは、主演といえる思想家ゲルツェン(Alexander Herzen)役は阿部寛、
革命家ミハイル・バクーニン(Mikhail Bakunin)役は勝村政信、
作家イワン・ツルゲーネフ(Ivan Turgenev)役は別所哲也、
文芸批評家ヴィッサリオン・ベリンスキー(Vissarion Belinsky)役は池内博之、
ゲルツェンの親友である詩人オガリョフ役は石丸幹二など。
蜷川幸雄は2000年にも、上演時間9時間、休憩を含むと10時間を超える
ギリシャ劇三部作「グリークス」を演出しており、同作に続く超大作を手掛けることとなります。
Bunkamuraの発表に拠ると、土日祝日を中心とした10日間は、昼12時から休憩含む約10時間で3部を通し上演。
平日は、1〜2部と3部に分割した2日間公演の形をとっているのが3公演となっています。
3部通しのチケット料金は、S席で29,000円、一番安価なコクーンシートで15,000円。
舞台の形状はセンターステージを予定しているとのこと。
※2009/7/31追記:平日セット公演の残席について、一部ごとに観劇できる各部券が8月2日より発売されます。
なお残念ながら、現在のところ日本語の戯曲などは発売されていません。
●The Coast of Utopia, A Trilogy: Voyage, Shipwreck, Salvage
※2010/01/30追記
ハヤカワ演劇文庫より、書籍が発売されました。
翻訳は広田敦郎で、第2回小田島雄志賞も受賞しています。
●コースト・オブ・ユートピア―ユートピアの岸へ
●Bunkamura20周年記念特別企画「コースト・オブ・ユートピア -ユートピアの岸へ」
日程:2009/9/12〜10/4 Bunkamuraシアターコクーン(東京)
主催:Bunkamura/ローソンチケット
第一部:VOYAGE「船出」
第二部:SHIPWRECK「難破」
第三部:SALVAGE「漂着」
作 :トム・ストッパード
翻訳:広田敦郎
演出:蜷川幸雄
出演:阿部寛/勝村政信/石丸幹二/池内博之/別所哲也/長谷川博己/
紺野まひる/京野ことみ/美波/高橋真唯/佐藤江梨子/
水野美紀/栗山千明/とよた真帆/大森博史/松尾敏伸/大石継太/横田栄司/
銀粉蝶/瑳川哲朗/麻実れい
チケット:[通し券(土・日・祝)][セット券(平日)][各部券]
※2009/11/06追記
ハイビジョン年末年始特集として、12月30日13:00〜22:00、NHK BShiで「コースト・オブ・ユートピア」が一挙放送されます。
長丁場ですので、放送予定時間も記しておきます。
▼2009/12/30 13:00〜22:00 NHK BShi 「コースト・オブ・ユートピア」
13:00〜 -解説1-
13:20〜 第一部:VOYAGE「船出」
16:03〜 -解説2-
16:13〜 第二部:SHIPWRECK「難破」
18:59〜 -解説3-
19:06〜 第三部:SALVAGE「漂着」