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2009年4月15日
■TV出演者の権利を一括処理
過去のテレビ番組のインターネット配信を容易にするため、
芸能3団体が出演者の権利処理を一元化する新組織を設立する模様です。
芸能プロダクションでつくる日本音楽事業者協会(音事協)など芸能3団体は14日までに、テレビ番組の出演者らの権利関係を一括して処理する新組織「映像コンテンツ権利処理機構(仮称)」を5月にも設立することを決めた。窓口を一本化することで、インターネット配信など番組の2次利用をしやすくするのが狙い。新機構に参加するのはほかに音楽プロダクション団体の音楽制作者連盟(音制連)と、俳優や演出家らの団体でつくる日本芸能実演家団体協議会(芸団協)。
音事協などによると、新機構は番組の2次利用を希望するテレビ局などからの申請を受け、出演した俳優らと許諾の交渉を行う。また、利益配分など権利処理に関する指針づくりも進める。実際の業務開始は来年4月以降になる見込み。
「出演者の権利を一括処理 芸能団体など新機構設立へ」:イザ!
テレビ番組をネット配信する場合、これまでは出演者全員から許諾を得る必要があり、
許可や連絡が取れない人が1人でもいると配信できなかったため、最大のネックになっていました。
テレビのネット配信が遅々として進まないのは、これが最大要因でした。
これまでは、収益につながりづらいネット配信に積極的とは言い難かった業界側も、
CMの減少や廉価によって出演者の単価も下がり、
テレビに依存する既存の体制から脱却せねばということで、
出演者の著作隣接権を一元管理する団体を作ろう、と動き出したということなのかもしれませんね。
先日、動画配信サイトの2強であるGyaOとYahoo!動画が統合というニュースもありましたし、
もしかすると来年あたり、大きな転換期を迎える可能性もありそうですね。
しかし、こうした一元管理団体が作られた場合、
JASRACのような強気を助け弱気を挫く天下り団体にならないか、
きちんと各団体を統合することができるのか、といった辺りが注目されます。
つまり、仮称・映像コンテンツ権利処理機構に参加する俳優が
ほんの一部になってしまっては、結局何の意味もありませんし、
利益配分などの権利処理を誰もが納得できるような形で予めきちんと定めておけるか、といった辺りですね。
※2009/4/30追記
日本音楽事業者協会、社団法人日本芸能実演家団体協議会、
社団法人音楽制作者連盟の3団体は、新団体・社団法人映像コンテンツ権利処理機構を設立しました。
2010年4月1日に業務を開始する予定ということです。