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2009年4月11日
■映画「紅葉狩」重要文化財に
歌舞伎舞踊の映画「紅葉狩」が、
映画フィルムとして初めて国の重要文化財に指定されることが決まりました。
「紅葉狩」は、同題の能(謡曲)を元に、
9代目市川團十郎が歌舞伎舞踊として1887年に初演した作品。
今回、重要文化財に指定を受けるのは、
東京国立近代美術館フィルムセンターに所蔵される映画フィルムで、
團十郎と五代目尾上菊五郎が演じた「紅葉狩」。
これは1899年11月の歌舞伎座興行の千穐楽後に、
屋外に舞台を組んで撮影したものと言われています。
マスコミ各社の報道などに拠ると、
この「紅葉狩」のフィルムは、他に松竹の大谷会長からも寄贈されましたが、こちらは約4分間の映像。
その他各地に残るフィルムと比べても、
1927年に製造され、日活がフィルムセンターに寄贈した約6分間の可燃性フィルムが、
現存する中では最も古く、オリジナルに近い長さと判明。
このフィルムは、日本人が撮影した全てのフィルムの中でも最も古いもののため、
文化審議会は3月19日に重要文化財に指定するよう、文部科学大臣に答申し、
今夏にも重要文化財に指定されることになるそうです。
映画フィルムが重要文化財に指定されるのは、日本映画史上初。
今回の登録は、日本最古のフィルムというのが大きな理由かもしれませんが、
映画や舞台の映像もも文化財として保存する必要性があると認められるわけで、大きな一歩という感じがします。
2007年に文化庁は、
昭和30年頃までに製作されたフィルム等を保護するための調査を行っていますが、
特に劣化・焼失の危険性が高い可燃性フィルムは、早急な保護が必要そうですね。
なお、東京国立近代美術館フィルムセンターは
4月21日から開催する特集上映「発掘された映画たち2009」で「紅葉狩」を上映します。
「紅葉狩」の上映は、4月24日と5月3日の2回。
上映では、不燃性フィルムに焼き付けて修整したものを公開するとのこと。
●発掘された映画たち2009
上映:2009/4/21〜5/3
会場:東京国立近代美術館 フィルムセンター
チケット:一般500円/高校・大学生・シニア300円/小・中学生100円
●観世流能 紅葉狩 |
●市川團十郎・市川海老蔵 パリ・オペラ座公演 勧進帳・紅葉狩 |