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2009年1月22日
■東宝と角川が映画館をデジタル化
TOHOシネマズと角川シネプレックスは、2012年までに全映画館にデジタルシネマ導入を目指すことを発表しました。
これは、これまでのフィルムに代わってデジタルデータで映画を映画館に配給、上映するというもの。
既にごく一部の映画館がデジタルシネマに対応していましたが、
TOHOシネマズと角川シネプレックスは、2009年春から導入を進め、
2012年までには、全スクリーンにデジタルシネマ導入を目指すことを発表しました。
これにより、3Dシネマ(立体映像映画)に対応する他、演劇をはじめスポーツやコンサートなどのライブ中継コンテンツも配給が可能になります。
TOHOシネマズは、現在経営する60サイト527スクリーン(共同経営含む)のうち、2009年秋までに47サイトにデジタルシネマ機器を導入。
角川シネプレックスは、現在経営する全15サイトのうち、2009年夏までに7サイトにデジタルシネマ機器を導入。
両社共に、2012年春までに全スクリーンのデジタル化を目指します。
配給にあたっては、NTT東西と協業。
東宝は光ファイバー(NGN)とハードディスク(HDD)、衛星回線の3種類、
角川は光ファイバーとハードディスクの2種類を使用し、配給会社が作品に応じて選択して配給するとのこと。
なお東宝は、有楽町・日比谷の映画館の名称をTOHOシネマズに変更することも発表しました。
これにより2月より順次、日劇PLEX→TOHOシネマズ 日劇、有楽座→TOHOシネマズ 有楽座、
日比谷スカラ座やTOHOシネマズ スカラ座、日比谷みゆき座→TOHOシネマズ みゆき座、
シャンテシネ→TOHOシネマズ シャンテ、に変更されます。
テレビ地上波もデジタル化が決定し、普及を急かされている昨今、
お金を払って観に行く映画館が、家のテレビ映像に見劣りするのはちょっと納得いかない気がしていたのですが、
ようやく正式にデジタル化が動き出した感じですね。
また近年、ゲキシネ・Livespire・シネマ歌舞伎など、舞台をデジタルシネマ化する企画が増えたものの、
肝心のデジタル上映に対応している映画館が少なかったわけですが、この悩みもようやく解消されていくわけで、
今後、舞台のライブ中継などの広がりにも期待したいところです。
映画会社としては大手の東宝・角川ですが、スクリーン数としては、両社合わせても全体の2割ほど。
最大手のワーナーマイカル、松竹のMOVIXなど、他のシネコン運営企業の追随も待ちたいところですね。
しかし、反面、デジタル化にあたって従来の映写機は順次撤去されるとのこと。
当たり前のことなのですが、ちょっと寂しい気もしてしまいます。
▼シネコン(劇場数)
●ワーナー・マイカル・シネマズ(60)
●TOHOシネマズ(43)
●MOVIX(23)
●ユナイテッド・シネマ(21)