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2008年11月14日
■NHK番組のネット配信「NHKオンデマンド」
NHKは、12月1日から始める「NHKオンデマンド」の料金体系を発表しました。
「NHKオンデマンド」は、NHKで放送された過去の番組アーカイブをインターネットで配信するサービスで、12月1日に開始予定。
NHKオンデマンドで配信される番組は、大きく分けて2種類で、
放送された翌日以降約1週間視聴できる「見逃し番組」と、
過去の名作番組を権利許諾期間に応じて再配信する「特選ライブラリー」。
今回、ようやく正式に発表された価格体系によると、
「見逃し番組」「特選ライブラリー」共に、番組を1作視聴する場合、基本価格は1本あたり315円。
一部210円の番組が数本と、連続テレビ小説など30分以下の短い番組は105円のものも用意されるそうです。
「見逃し番組」は、1か月間見放題のパックが1,470円。
「特選ライブラリー」には、最大30%近く安いパックが何種類か用意されるなど、
まとめることで割り引くサービスも行う模様。
なお、ニュース番組については、「見逃し番組」の見逃し見放題パックでしか視聴できないということです。
値段を見てみると、現在一般にネット配信されているソフトと
同じような価格設定になっている感じで、まあ妥当かなという印象を受けます。
しかし、基本的にNHKの番組はすべて私たちが支払った受信料で作られているわけで、
本来すべて無料で視聴できなければおかしいですよね。
(一応フォローしておくと、配信のためのサーバーなどのコストと、
ネット配信に際して新たに著作権など権利関係の費用が発生する、というのが課金の理由です。)
受信料を財源とする公共放送ということでNHKとよく比較される、イギリスの公共放送BBCでは、
2007年から「BBC iPlayer」という番組のネット再配信サイトを開始し、
基本的に1週間以内1度のみ視聴可能にして、無料で配信を行っています。
「NHKオンデマンド」についても、「特選ライブラリー」が有料であるのは百歩譲って仕方がないとしても、
BBCと同じような条件で配信される「見逃し番組」についてまで有料、
しかも315円もするというのは、まったく理解ができませんよね。
視聴することで、私たちはNHKに2度も料金を支払うことになってしまうわけですし、
同じような価格設定で、既存の民間動画配信業者が商売として成立していることを考えると、
番組の制作は受信料でまかなうNHKオンデマンドは、
軌道に乗れば莫大な利益を上げるであろうことが予測されます。
なおNHKオンデマンドの視聴環境は、Windows XP、VistaでInternet Explorer 6.0以上のみ、
プレーヤーもWindows Media Player 10以上と、マイクロソフトの動画配信サイトのような条件になっています。
パソコン以外では、テレビ向けに「アクトビラ」の「アクトビラ ビデオ・フル」と、
「J:COM」の「J:COM オンデマンド」、NTTぷららの「ひかりTV」での配信を予定。
また演劇関連では、「見逃し番組」で、教育テレビの「芸術劇場」、BS2の「ミッドナイトステージ館」が配信される予定とのこと。
●NHKオンデマンド オフィシャルサイト
●BBC iPlayer
■オンライン動画配信サイト
■演劇ニュース: NHKアーカイブス・オン・デマンド(2008/1/16)