演劇ニュース

松本幸四郎は、まだ市川染五郎を名乗っていた1958年、
16歳のときの「子供歌舞伎教室」で初めて弁慶を演じ、
50年を経ての1000回達成となりました。

「勧進帳」は、能の「安宅」を歌舞伎化したもので1840年に初演。
兄・源頼朝に追われる義経や弁慶などの一行が、
東大寺復興のために寄付を集める山伏に姿を変えて奥州に逃れようとする物語。
加賀・安宅の関を守る富樫左衛門に疑われた際は、
白紙の巻物を勧進帳に見せて文言を述べ、義経を打ち据えて疑いを晴らすシーンは有名で、
同作は歌舞伎十八番の一つにも数えられています。

この1000回目の公演は、勧進帳の本家本元とも言える奈良の東大寺で、
平城遷都1300年祭プレイベント「東大寺奉納大歌舞伎」として行われました。
東大寺1300年の歴史において、歌舞伎の公演が行われるのは初めて。

勧進帳での弁慶役は、祖父の七代目松本幸四郎が1946年まで1700回、
父白鸚（八代目松本幸四郎）も数百回演じており、
当代である九代目までの3代では、計3000回以上も演じていることになるとのこと。

九代目松本幸四郎は、演劇やミュージカルでも活躍しており、
2008年4月15日ミュージカル「ラ・マンチャの男」の上演が通算1100回を記録。
一つの作品を同じ俳優が単独主演するミュージカルの日本国内最多上演記録を更新しています。
またピーター・シェーファー脚本の演劇「アマデウス」でも、
1982年の初演以来サリエーリ役で出演を続け、
2004年5月27日には上演400回を達成しています。

※追記
2009/04/15に、999回静岡公演・1000回東大寺記念公演を収録したDVDが発売されます。
●松竹大歌舞伎 松本幸四郎「勧進帳」~999回静岡公演・1000回東大寺記念公演~[DVD]

■歌舞伎
■ミュージカル「ラ・マンチャの男」
●DVD：七代目松本幸四郎：歌舞伎名作撰 勧進帳