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2008年9月30日
■ウエスト・エンドでは芝居よりもミュージカル
イギリスのデイリー・テレグラフ紙が、
ウエスト・エンドでは芝居よりもミュージカルが好まれる、といった記事を掲載しています。
デイリー・テレグラフ(The Daily Telegraph)はイギリスの大手新聞。
8月2日付けで「Risk-averse West End 'prefers musicals to plays'」という
見出しの記事を掲載しています。
以下、記事をざっくりと訳してみると・・・
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ロンドンで良く知られた商業的な劇場では、
「Mamma Mia!」「Dirty Dancing」のような軽い作品が席捲していて、
National TheatreやDonmar Warehouseのように助成を受けている劇場以外の
プロデューサーや劇場はストレートの芝居を敬遠しています。
現在ウエストエンドではロングランしている
「The Mousetrap」「The Woman in Black」を含め、
7つのストレートプレイが上演されているのに対し、ミュージカルは24。
今年上半期のチケットセールスは、昨年同時期よりも上回っているものの、
今後は不況が観客離れにつながるのでは、と危惧しているようです。
ApolloやLyricなどの劇場を持つNimax Theatresのチーフ・エグゼクティブNica Burnsは、
現在ストレートプレイを上演するのは確かに難しく、それはコストが大きな要因だと話します。
Donmar Warehouseのような小劇場では、1万枚のチケットが売れれば成功ですが、
ウエストエンドでは、5万から10万を売らなければなりません。
しかしウエストエンドで上演するには多大なコストがかかるわけで、
そこには非常にリスクがあるということのようです。
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デイリー・テレグラフ紙が
どういう政治的・文化的傾向を持っているのか、私はまったく知らないのですが、
芸術的であろうストレートプレイが苦戦する中、
ミュージカルのような娯楽作が舞台を席捲していることを憂いて書かれた記事なのかな?
ということを思いました。
近年は世界中でミュージカルが舞台を独占していますし、
日本ではストレートの芝居が大劇場でロングランすること自体考えづらいことですよね。
そう考えると、厳しい状況の中、
数作とはいえ成功している作品があるだけでも、すごいことのようにも思えます。
●Risk-averse West End 'prefers musicals to plays'
●The Daily Telegraph
●ロンドン-ウエスト・エンド物語-演劇・ミュージカルへの招待
●Musical Comedy on the West End Stage, 1890-1939