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2008年9月12日

■新宿コマ 栄光の半世紀

読売新聞が12日夕刊に「新宿コマ 栄光の半世紀」という記事を掲載しています。

コマ劇場は1956年12月、音楽や演劇など大衆芸能の発信地を目指し、約3000席(現在は2000席)の国内屈指の規模でオープンした。

 しかし、初期は路線を定め切れず、開館最初の演目は、米国映画「オクラホマ!」の上映。舞台公演の第1弾は翌57年4月になってから。菊田一夫総指揮の音楽喜劇「廻れ!コマ」=写真〈1〉=などの演目で、榎本健一が主演した。その後も、ジャズやハワイアンのコンサート、新国劇や新派など演劇、クラシックやバレエなどの来日公演、さらにサーカスに至るまで、演目は多岐にわたった。

 転機となったのが、64年6月に同劇場に初登場した美空ひばりの公演。演劇と歌謡ショーの2部構成は、その後の歌手による座長公演のモデルとなった。

演歌歌手の座長公演という大黒柱を得て、コマ劇場は快進撃を続ける。北島三郎は68年以来、1か月公演39回という最多出演記録を持つ。島倉千代子、細川たかし、小林幸子らも、常連として高い人気を誇った。

81年からは7年連続で、榊原郁恵主演のミュージカル「ピーターパン」が上演された。「演歌などは、どうしても来場者の年齢は高め。夏休み時期に若い層を狙って始めた」と同劇場の前川倫夫制作部長。これが当たり、以後、「シンデレラ」「オズの魔法使い」などミュージカルは夏の定番企画となった。

 70、80年代には、地方からの東京観光の人気スポットとなり、劇場前に観光バスが連なる光景が、歌舞伎町の風物詩となった。しかし、劇場老朽化や演歌退潮などが重なり、90年代後半から動員は苦戦気味。そんな中、2004年10月の松平健公演で、フィナーレの「マツケンサンバ」=同〈2〉=を目当てに、連日満員の聴衆が押し寄せた。

 劇場の自主興行を原則に運営を続けたが、05年、外部の興行主に劇場を貸す方式を導入。第1弾として5〜8月、英国の人気バンド、クイーンのヒット曲を題材にしたロック・ミュージカル「WE WILL ROCK YOU」=同〈3〉=が上演。これがヒットし、翌年も再演された。

読売新聞夕刊(2008/9/12)


コマ劇場は、演歌歌手の座長公演を頻繁に上演する一方、ミュージカルの公演も行われるという、
都心としてはちょっと変わった劇場だったような印象があります。
非常に商業演劇的な公演であるという共通点はありますが、
行われている公演によって客層も大きく変わりますし、
何より多用な演目に対応できた劇場だったと言えそうですね。
場所的にも、新宿歌舞伎町の広場前に位置していましたし、
舞台ファンでない方にとっても歌舞伎町のシンボル的な存在だったのではないでしょうか。

現在、北島三郎の座長公演を9月30日まで上演中。
その後は、12月の「愛と青春の宝塚」が最後の公演となり、
12月31日にテレビ東京で生放送される「年忘れにっぽんの歌」が
舞台として最後のお務めとなるようです。


北島三郎特別公演「国定忠治/北島三郎大いに唄う」
日程:2008/9/2〜9/30 新宿コマ劇場(東京)
   2008/11/1〜11/28 博多座(福岡)
演出:原譲二/安達靖人/大野拓克
出演:北島三郎/星由里子/水町レイコ/龍虎/白木万理/船戸順/白木みのる

愛と青春の宝塚
日程:2008/12/02〜12/22 新宿コマ劇場(東京)(10/4発売)
演出:鈴木裕美
脚本:大石静
出演:紫吹淳・湖月わたる/彩輝なお・貴城けい/星奈優里・大鳥れい/紫城るい・映美くらら/石井一孝/佐藤アツヒロ

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「新宿コマ 栄光の半世紀」奥付

  • Posted : 2008年9月12日 22:40
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