芝居小屋「永楽館」44年ぶりに復原 | 演劇ニュース

■芝居小屋「永楽館」44年ぶりに復原

現地に現存する日本で最も古い芝居小屋「永楽館」が、44年ぶりに復活。
8月5日までこけら落とし公演が行われました。

「永楽館」は、兵庫県豊岡市出石町にある芝居小屋。
1901年（明治34年）に建設された劇場で、
現地に現存する劇場としては日本最古と言われています。
ちなみに、日本最古の劇場は1836年に建設された香川県の旧金毘羅大芝居ですが、
こちらは1972年に移築されています。

永楽館は、昭和初期にかけて、
歌舞伎などの演劇公演以外にも、落語、映画の上映などで賑わいましたが、
時代の移り変わりと共に観客が減少し、1964年に閉館。
しかし明治時代に造られた建設当時の劇場が比較的当時のまま残っており、
1998年には合併前の旧出石町に寄贈され、同町の文化財に指定されました。
2006年6月、豊岡市が総事業費3億7,000万円をかけて復原工事を開始。
（直近の姿ではなく、原形に戻すという意味で
「復元」ではなく「復原」と呼んでいるそうです。）
そして、この夏復原工事が完了し、
片岡愛之助が座頭を務め、こけら落とし公演が行われました。

復原された永楽館には、
閉館当時貼られていた広告看板をそのまま掲げ、当時の姿を再現したそうです。
劇場の収容人数は368。

豊岡市・永楽館のサイトでは動画や写真などで、
劇場復元工事の模様や、廻り舞台が回転している様子、ぶどう棚、奈落など、
貴重な芝居小屋の裏側を見ることができます。