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2008年6月16日

■「黒部の太陽」舞台化

故石原裕次郎主演映画「黒部の太陽」が舞台化されます。

1953年、他社の映画に監督・俳優が出演・移籍することを禁じる
五社協定が映画会社(松竹・東宝・大映・新東宝・東映)の間で締結されたため、
各社の映画スターが共演することはありませんでした。(1958年には日活も参加し六社協定に)

この協定を超えて制作されたのが、映画「黒部の太陽」です。
日活出身の石原裕次郎が自己資金での映画製作を目指し、東宝出身の三船敏郎と協力。
1964年、三船プロダクションと石原プロモーションが映画の共同制作を発表しました。
これに宇野重吉が劇団民藝を挙げて全面協力を約束し、
1966年、木本正次原作の「黒部の太陽」映画化が決定。
その後同作は、1年以上の撮影期間を経て、1968年2月に公開されています。

「黒部の太陽」は、富山・黒部渓谷に世界最大級のダムを建設するため奔走した男たちの姿を描く物語で、
三船敏郎と石原裕次郎の共演が実現した他、東宝の志村喬、日活の二谷英明・芦田伸介、
劇団民藝の滝沢修・宇野重吉・樫山文枝・日色ともゑ・北林谷栄、新国劇の辰巳柳太郎など多彩な顔ぶれが共演。
また、宇野重吉の長男である寺尾聰は同作が俳優デビュー作で、これがきっかけで後に石原プロに入ることになったと言われています。

映画は、当時の邦画史上最高となる、観客動員733万人、興収16億円を記録。
日本映画史に残る一作となっている「黒部の太陽」ですが、「映画は映画館で楽しむもの」という石原裕次郎の遺志の元、
映画のビデオ・DVD化は為されておらず、幻の作品のようになっています。

そして、作品の舞台となった関電トンネル開通50周年と映画上映40周年を記念して、「黒部の太陽」が舞台化されます。
製作発表の報道に拠ると、舞台は映画の単純なリメイクではなく、
劇中劇の形で、映画製作のシーンと物語のシーンが交錯しながら進む物になるとのこと。

三船敏郎が演じた北川覚と、三船敏郎を演じるのは神田正輝、
石原裕次郎が演じた岩田剛と、石原裕次郎を演じるのは中村獅童
脚本・演出は「夕凪の街 桜の国」などの映画監督の・佐々部清で、これが初の舞台演出作となります。

公演は、2008年10月に大阪・梅田芸術劇場にて。チケットは6月28日に一般発売。


舞台「黒部の太陽」
日程:2008/10/5〜10/26 梅田芸術劇場(大阪)
演出:佐々部清
脚本:佐々部清
原作:「黒部の太陽」木本正次
振付:若央りさ
出演:中村獅童/神田正輝/大地康雄/ベンガル/妹尾和夫/橋爪淳/勝野洋/月影瞳/
   渡哲也(映像特別出演)
主催:朝日放送/梅田芸術劇場
協力:石原プロモーション/三船プロダクション

映画「黒部の太陽」
公開:1968/2/17 日活
監督:熊井啓
原作:「黒部の太陽」木本正次
脚本:「黒部の太陽」熊井啓
出演:滝沢修/志村喬/佐野周二/三船敏郎/石原裕次郎/辰巳柳太郎/玉川伊佐男/下川辰平/
   平田重四郎/加藤武/高津住男/柳永二郎/山内明/宇野重吉/寺尾聡/二谷英明/
   成瀬昌彦/清水将夫/樫山文枝/日色ともゑ/川口晶/高峰三枝子/岸野小百合/北林谷栄
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  • Posted : 2008年6月16日 19:09
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