広告

2007年12月 4日

■大阪労演が解散

年内で解散が決まっている、日本初の演劇鑑賞団体・大阪労演。
これまで所蔵していた公演ポスターやパンフレットを、関西学院大学に寄贈したそうです。

戦後、関西の演劇公演招聘をリードし、年内で約60年の歴史に幕を下ろす鑑賞団体「大阪勤労者演劇協会(大阪労演)」が、
長年保管していた公演ポスターやパンフレット、舞台写真など約1万点を、関西学院大学に寄贈した。
専門家は「演劇史研究の一級の資料」と評価しており、大学では整理して、一般に公開する予定だ。
読売新聞 関西 2007年12月3日

大阪労演(大阪勤労者演劇協会)は、1949年に結成した演劇鑑賞団体。
演劇鑑賞団体は、会員・会費制で公演を誘致する仕組みで、
この大阪労演の結成を始めに、全国に同様の団体ができ、
順番に各演鑑を回るツアーのような形で、劇団の全国公演を招聘してきました。

演劇鑑賞団体が誘致するのは、俳優座・青年座・文学座・民藝など、主に新劇の劇団。
大阪演鑑も、新劇全盛期の1960年代には、25,000人ほどの会員を抱えていましたが、
小劇場演劇運動が始まった1970年代以降は会員数が減少。
現在の会員は400名ほどで、上記読売の記事に拠ると約1億円の負債を抱えていたそうで、
9月の例会をもって活動を終了。年内の解散が決定していました。

大阪などの都市部では、通常の商業公演も多くなった現在、演鑑はその役目を終えたのかもしれませんが、
地方では、演鑑が観劇の機会を得る一助になっているところも多いと思います。
近年は、演鑑のみならず新劇の劇団も苦戦を強いられているところが多いようですが、今後どのようになっていくでしょうか。
演鑑は、特定ジャンルや劇団にこだわった誘致ではなく、公演の現地主催団体といった視点で、
幅広い作品を招き、上演することが必要になってくるのかもしれませんね。

大阪労演 オフィシャルサイト
都道府県別の演劇情報
各都道府県の演劇鑑賞団体・おやここども劇場を掲載しています

関連する演劇・ミュージカルニュース

「大阪労演が解散」奥付

  • Posted : 2007年12月 4日 23:20
  • Tag :
  • Prev : « チケットぴあがシステム移行
  • Next : テイクフライト »
  • Category : Notebook | 演劇ニュース | シアターリーグ