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2007年12月 1日
■放浪記
2008年に上演される「放浪記」の制作発表が29日行われ、
名物にもなっている森光子のでんぐり返しの封印を発表、話題になっています。
「放浪記」は、1928年から作家・林芙美子が雑誌連載していた私小説で、
1930年に単行本として発売され大ヒット。
後に刊行された「続放浪記」「放浪記-第三部」と合わせ、林芙美子の自伝物語として人気を博しています。
同作は、1935・1954・1962年と、3度映画化。
舞台初演は1961年10月の芸術座で、脚本・演出は菊田一夫。
初演から主演を務める森光子は、当時41歳でした。
その後、作品の上演回数は、前回公演の2006年10月までで1,858。
「放浪記」を生み育てた芸術座は2005年に閉館したため、
2008年公演より新劇場シアタークリエへの初進出となり、
無事公演が重ねられれば、2月23日の公演で上演回数1,900回を達成します。
これは、国内の単独主演公演では断トツの1位記録です。
話題の「でんぐり返し」は、4幕2場のシーンで、
3時間半を超える上演のうち、幕が開いてから3時間程経った辺り。
林芙美子が、自分の小説の広告が新聞に掲載されているのを見つけ、
大喜びのあまりでんぐり返しをするという状況で、
はじめの頃は3回、1981年からは1回、森光子は必ずでんぐり返しを行ってきました。
でんぐり返しの回数は合計2,852回転になるそうです。
そして、2008年公演の制作発表で、でんぐり返しの封印が発表されましたが、
現在、実質的に演出を務める北村文典によると、
でんぐり返しに替わる新しい喜びを表すアクションは行わないということです。
ちなみに同作の演出家は、初代の菊田一夫が1972年に他界。
2代目の三木のり平も1996年まで務めた後、1999年に他界していますが、
スタッフのクレジットは今でも三木のり平の名前が残っています。
2008年の放浪記は、3月末までシアタークリエで3ヶ月間公演を行った後、
4月富山、5月福岡(博多座)、10〜11月大阪、11〜12月愛知(中日劇場)にて上演予定。
また3月1日は菊田一夫の生誕100年という節目も迎えます。
※2008/1/8追記
でんぐり返しが行われていたシーンは、回りの人たちが万歳をし、芙美子も遠慮がちに万歳する演出に替わったそうです。
※2009/3/13追記
2009年も公演が決定。5月9日の公演で、通算上演回数2,000回を達成します。
また、2005年公演の模様を収録したDVDが4月24日に発売されます。
詳しくは放浪記 DVD-BOX | 演劇ニュース。
●放浪記
日程:2008/01/07〜03/30 シアタークリエ(東京)
2008/05/02〜05/28 博多座(福岡)
2008/10/23〜11/04 フェスティバルホール(大阪)
2008/11/09〜12/05 中日劇場(愛知)
2009/05/05〜05/29 帝国劇場(東京)
演出:三木のり平
出演:森光子/高畑淳子・黒柳徹子・山本陽子/米倉斉加年/有森也実/斎藤晴彦/大出俊/山本學
チケット:[東京]
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●原作放浪記 |
●映画放浪記 |
●森光子―汗と涙のカーテンコール |