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2006年12月16日
■新聞の2006年演劇回顧
新聞各紙の2006年の演劇界を振り返る記事です。
毎日新聞は12/6に「現代演劇・ミュージカル:この1年 「戦後」とらえ直す試み次々」という見出しで掲載。
木下順二の死を現代演劇の状況を考える上で最も重要な出来事と冒頭で触れ、
他に他界した演劇人として青年座の森塚敏、東京演劇アンサンブルの広渡常敏の名前を挙げています。
また、本谷有希子「遭難、」、劇団☆新感線「メタル マクベス」を特筆しています。
・作品
木下の名作36年ぶりの再演となる劇団民芸「審判」
井上ひさし3部作完結となる「夢の痂(かさぶた)」
永井愛「やわらかい服を着て」
文学座の川村毅作「オトコとおとこ」
渡辺えり子による宇宙堂2部作「夢ノかたち」
文学座創立70周年記念第1弾「シラノ・ド・ベルジュラック」
文化座創立65周年「冬華」
劇団☆新感線「メタル マクベス」
野田秀樹「ザ・ビー」「ロープ」
劇団四季「鹿鳴館」
三谷幸喜の新作、東京ヴォードヴィルショー「エキストラ」
・ミュージカル
日本発信の舞台が多かったことに言及し、以下の作品を挙げています。
東宝「ベガーズ・オペラ」「ダンス・オブ・ヴァンパイア」「マリー・アントワネット」
劇団四季・韓国語版「ライオンキング」
・個人
若手・中堅の劇作家による作品の発表が目覚ましかったと触れ、名前を挙げています。
三浦大輔「愛の渦」「夢の城」
岡田利規「エンジョイ」
本谷有希子「遭難、」
・その他
イプセン没後100年・ベケット生誕100年・ブレヒト没後50年、
蜷川幸雄の「さいたまゴールド・シアター」に触れています。
朝日新聞は12/14に「06年演劇界を回顧 戦争をテーマにした舞台多数」という見出しで掲載。
・作品
井上ひさし3部作完結となる「夢の痂(かさぶた)」
劇団民芸「審判」
蜷川幸雄「タイタス・アンドロニカス」「オレステス」
野田秀樹「ザ・ビー」「ロープ」
ミュージカル「メタルマクベス」「マリー・アントワネット」
燐光群「スタッフ・ハプンズ」
一跡二跳「アラブ・イスラエル・クックブック」
・個人
演出で、ケラリーノ・サンドロヴィッチ「ヴァージニア・ウルフなんかこわくない?」
劇作で、鈴木聡「ハゲレット」「あしたのニュース」
三谷幸喜「エキストラ」
松尾スズキ「まとまったお金の唄(うた)」
永井愛「書く女」
その他、本谷有希子、岡田利規、三浦大輔、前田司郎、青木豪、蓬莱竜太の名前が挙がっています。
・歌舞伎
パルコ歌舞伎「決闘!高田馬場」「東海道四谷怪談」
国立劇場「元禄忠臣蔵」を3ヶ月通し上演
・その他
地方発の静岡県舞台芸術センターと新国立劇場の共同制作3本、
彩の国さいたま芸術劇場・芸術監督の蜷川が作った高齢者劇団「さいたまゴールド・シアター」
が取り上げられています。
日本経済新聞は12/14に「回顧2006 演劇」を掲載。
・作品
新国立劇場「夢の痂(かさぶた)」
劇団民芸「審判」
新国立劇場「やわらかい服を着て」
燐光群「チェックポイント黒点島」
・個人
若手演劇人の名前を挙げ、収穫に挙げています。
青木豪(グリング)
本谷有希子(劇団、本谷有希子)
三浦大輔(ポツドール)
東憲司(劇団桟敷童子)
・その他
蜷川幸雄の活躍と高齢者劇団「さいたまゴールド・シアター」
長塚圭史と岡田利規の新国立劇場デビュー
鈴木忠志16年ぶりの東京公演
などが挙げられています。
※追記
読売新聞も12/20に「演劇回顧2006」を掲載しました。
若手の躍進、大手芸能プロの参入、新劇ベテランの他界を挙げ、
世代交代が進み、新時代の到来を印象付けた一年とまとめています。
紙上では、ストレートとミュージカルを分けて掲載されています。
・ストレート
ケラリーノ・サンドロヴィッチ「ヴァージニア・ウルフなんかこわくない?」「漂う電球」
河原雅彦「父帰る/屋上の狂人」
野田秀樹「THE BEE」「ロープ」
坂手洋二「チェックポイント黒点島」
永井愛「やわらかい服を着て」「書く女」
渡辺えり子「夢ノかたち」
平田オリザ「ソウル市民」
新宿梁山泊「風のほこり」
ク・ナウカ「マハーバーラタ」
また、若手劇作家の作品を多数挙げています。
倉持裕「開放弦」
福島三郎「噂の男」
青木豪「エスペラント」「獏のゆりかご」
赤堀雅秋「蛇」
東憲司「骨歌」
蓬莱竜太「第32新海丸」
長塚圭史「桜飛沫」「アジアの女」
本谷有希子「遭難、」
前田司郎「さようなら僕の小さな名声」
三浦大輔「夢の城」
岡田利規「エンジョイ」
さらに、シルバーパワーが脚光を浴びたことにも触れ、多くの名前を挙げています。
蜷川幸雄「さいたまゴールド・シアター」「タイタス・アンドロニカス」「オレステス」
流山児祥「オールド・パンチ」
川村毅「黒いぬ」
井上ひさし「夢の痂」
唐十郎「紙芝居の絵の町で」
広渡常敏「林檎園日記」
鈴木忠志「イワーノフ」
俳優として、森光子・日下武史・大滝秀治・渡辺美佐子・緒方拳・麻実れい。
・ミュージカル
劇団☆新感線「メタル マクベス」を出色、「マリー・アントワネット」は賛否が分かれたと触れ、
オリジナル作品に力作が目立ったと記しています。
「アルジャーノンに花束を」
「クラリモント」
「AKURO」
また、四季の「ライオンキング」5,000回、「オペラ座の怪人」4,000回上演や、
宝塚の数々のサヨナラ公演、
「ムーヴィン・アウト」「ジキル&ハイド」「冬のソナタ」などの来日公演にも触れています。
・その他
木下順二をはじめとした物故者に触れた他、
三百人劇場の閉鎖、天王州銀河劇場オープン、
オスカー・吉本・ワタナベ・アップフロントの舞台制作進出などを記しています。
各紙で取り上げられている人や作品をみると、けっこう似たような感じですね。
演劇界のビッグネームが並ぶ中、
今年は小説が芥川賞候補にも選出された本谷有希子が目立つ感じでしょうか。
朝日舞台芸術賞・毎日芸術賞は年明け早々に発表、
読売新聞の読売演劇大賞は、例年2月頃発表されています。
■新聞社リンク集
■演劇賞
■朝日舞台芸術賞
■読売演劇大賞
■本谷有希子が芥川賞候補に