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2006年5月29日
■第59回カンヌ国際映画祭
日本時間の今朝未明、第59回カンヌ国際映画祭の授賞式が開催され、
最高賞・パルムドールに、ケン・ローチ監督の「The Wind That Shakes the Barley(大麦の揺らす風)」が選ばれました。
「The Wind That Shakes the Barley(大麦の揺らす風)」は、
アイルランドの内戦を題材にした作品で、主演キリアン・マーフィーのイギリス映画。
ケン・ローチ監督は、今回を含めこれまで8作品がノミネートされており、
1990年の「ブラック・アジェンダ/隠された真相」、1993年の「レイニング・ストーンズ」でも
カンヌ受賞を果たしていますが、今回ついに最高賞・パルムドールを受賞しました。
またケン・ローチ監督は、日本の世界文化賞の演劇・映像部門の2003年度受賞者でもあります。
今回の受賞結果で目を引くのは、女優賞と男優賞が団体受賞となっているところ。
女優賞をスペイン映画「ヴォルべール」のペネロペ・クルスら6人、
男優賞をフランス映画「デイ・オブ・グローリー」のジャメル・ドゥブーズら5人が受賞しています。
過去に主役2人が受賞したことはありましたが、団体での受賞は映画祭初。
この経緯について審査委員長のウォン・カーウァイ監督は、
「ヴォルべール」は家族、「デイ・オブ・グローリー」は従軍と、
形は違うものの共にチームによって生まれた演技だから、と説明しています。
日本関連では、役所広司や菊地凛子などが出演した米映画「バベル」の
アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督(メキシコ)が、監督賞を受賞。
この映画は、東京・モロッコ・メキシコなどを舞台に、孤立感に悩む人々の姿を描いた作品で、
ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェットが主演しています。
また、公式部門以外では
若者向け映画を対象にしたカンヌJr.フェスティバルのコンペ部門で
「下妻物語」(中島哲也監督、深田恭子・土屋アンナ主演)がグランプリを受賞しています。
このコンペは、10〜18歳10人の学生審査員が審査を行うもので、今年は8作がノミネート。
見事、全員一致での受賞となったようです。
「下妻物語」はフランスで、日本映画史上最大規模となる約100の映画館で上映される予定。
さらに、フランス・ドイツの学生が審査員となって選考する「国際批評家週間」部門では
中野裕之監督の短編映画「アイロン」が「ヤング批評家賞」を受賞しています。
▼第59回カンヌ国際映画祭
■パルムドール:「The Wind That Shakes The Barley(大麦の揺らす風)」ケン・ローチ監督(イギリス)
■グランプリ:「FLANDRES(フランダース)」ブリュノ・デュモン監督(フランス)
■男優賞:「INDIGE`NES(デイズ・オブ・グローリー)」の5人
■女優賞:「Volver(ボルベール)」の6人
■監督賞:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督「Babel(バベル)」
■脚本賞:ペドロ・アルモドバル「Volver(ボルベール)」
■審査員賞:アンドレア・アーノルド監督「Red Road(レッド・ロード)」
■新人監督賞:コルネリウ・ポルンボユ
■技術貢献賞:ステフェン・ミリオーネ(編集)「Babel(バベル)」