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2005年7月29日
■デジタルラジオ放送、2006/4開始
在京民放ラジオ5社は、共同事業会社を作り
現在のFMより高音質で画像も送れる「デジタルラジオ放送」を2006/4〜開始すると発表しました。
新会社は、FM東京が筆頭株主で、TBS・文化放送・ニッポン放送・J-WAVEが出資。
デジタルラジオ放送は、まず2006/4に東京と大阪で放送を開始。
2008年までに札幌、仙台、静岡、名古屋、広島、福岡でも順次放送を始め、
2011年〜は全国で放送を開始する予定。
これは、テレビ放送のデジタル化と同じようにラジオ放送もデジタル波で行うもの。
地上アナログテレビ(VHF)の空きチャンネル1つをデジタルラジオに割り当て、
この帯域をいくつかに区切り、各局が放送を行います。
なお、テレビのように現在のアナログ放送を打ち切る予定はないそうです。
今回の件は、インターネットにも広告費が抜かれるなど、
低迷するラジオ業界全体の繁栄の為にライバル各社が手を結んだのだと思いますが、
ちょっと、こういう方向性でいいのかな?という気もしてしまいます。
そもそもテレビのデジタル化・アナログ中止自体意味があることなのかと思うのですが、
それがラジオとなると尚更のような。
ラジオは、アナログな媒体だからこそ良いものではないでしょうか。
考えてみると、ラジオのデジタル化に当たって受信機はどうするのか、という大きな問題もあります。
画像も見られる受信機ですから、今のラジオのように安いものではなくなるでしょうし、
そもそも現在まったく存在しない機械を今からマーケットに乗せて、普及するものでしょうか?
それに、ラジオと言えば車への搭載が不可欠だと思いますが、
地域限定放送では、わざわざ車につけようと思う人も少ないような気がします。
今後は、メーカー側と提携ができるかどうかが成否を分けそうですね。
他にも、放送免許の関係でテレビ局がラジオに近い内容の放送を開始するのでは、という
ラジオ業界自体が恐々としている問題も、次期放送免許切替の2008年に待ち構えています。
基本的に、ラジオは無くなってはいけない媒体ですが、現状より目覚ましく規模が拡大することもあり得ないように思います。
ラジオは、全国ネットのテレビではやらないような情報、
各地域の天気や交通情報、ニュース、スポーツなどを報じることに意義があるように思えます。
ですから、業界のピンチだからといって拡大思考で打って出るのではなく、
むしろ現状維持を図り、地域密着などの方策に出た方が良かったのではないでしょうか。