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2004年11月 6日
■電車男
2ちゃんねる発の物語「電車男」
その人気から本として出版されましたが、異例の大ヒットとなっているようです。
「電車男」は、「2ちゃんねる」内のとあるスレッドで、今年の春頃書き込まれたお話。
「彼女いない歴22年」の男が
電車内で、酔っぱらいに絡まれた女性を助けたお礼にカップを小包で受け取り
カップのお礼をどうしたらいいんだろう?
という辺りから話は始まる。
女性への対応がわからない、通称「電車男」に
同スレッドの住人達が励ましたりアドバイスしたりしながら
電車男と共に、彼女との関係を一喜一憂していく・・・
こんな感じの話がネット上で大人気となり、
10/22にはついに新潮社から書籍「電車男」として出版。
僅か発売から10日間で20万部を超える大ベストセラーになっているようです。
あたしは、書籍化される前にネット上の話題で見つけ、過去ログを読んだのですが
飽きずに最後まで読んでしまいましたし、単純におもしろく思いました。
また、最近は映像化(映画化)の話も噴出しているようで、
ネットの世界と現実、上手く組み合わせれば面白いドラマになりそうで
そちらも期待が持てそうです。
しかし、本となって発売されたことで、印税・著作権はどうなっているんだろう?
というところがちょっと気になってしまいます。
本の著作者にクレジットされている「中野独人」は「ネットの中の独身者」をもじった架空の人物で、
単純に考えれば、2chに書き込みをした「電車男」と、多くの「名無しさん」に著作権が生じることになります。
が、現実は多くの「名無しさん」を特定して著作権料を支払う作業は、まったく行われていないようです。
匿名掲示板への書き込みで多くの逮捕者が出ているように
書き込みへの責任は取らせても、権利は授与させない
というのでは、様々な観点から大きな問題があるのではないでしょうか。
ちなみに、ネット上匿名掲示板への書き込みに関する著作権問題では
以前「ホテル・ジャンキーズ」裁判というものがあり、
「ネットワーク上の掲示板に投稿される書き込みにも著作権が発生する」と
東京地裁の判決が下り、投稿者への著作権料の支払いや、書籍出版の差し止めなどが言い渡されています。
まあ、こんな判例まで引っ張り出すまでもなく
例え匿名であっても投稿者に著作権があるのは当たり前なのですが、
著作権というのは親告罪(著作権所有者が訴えを起こさなければならない)ですから
おそらく若い男性が多いであろうと思われる、今回の「電車男」に関する「名無しさん」達が
一人一人にすれば僅かな著作権料を求める為、起訴することは考えづらいように思えます。
「電車男」は、とても暖かみのあるいいお話だけに、
これが後々ドロドロの闘争になったりしたら悲しい気もするのですが、
これだけヒットした作品だけに、逆に世間の関心を集めるいい機会のような気もします。
いずれにせよ、
出版社側が法を遵守しなければならないのは当然ですが、
これだけネットが広まり、誰でも情報発信できるようになった現在、
現実に則した法整備が必要なのではないでしょうか。
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