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劇団BDP公演「リアの食卓」/[作・演出]嶽本あゆ美

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2014/11/20 16:41 | 最終変更
劇団BDP  新米   投稿数: 5
『リア王、老いてなお執着する男。その苦しみ、悲しみ、憎しみは――』



劇団BDP公演「リアの食卓」
◆作・演出: 嶽本 あゆ美
◇主  演: 青砥 洋(劇団BDP代表)
■会  場: 新宿シアターサンモール
■チケット:¥5,500- (全席指定)

□公演日程□
 1月28日(水) 18:30 
 1月29日(木) 18:30 
 1月30日(金) 18:30 
 1月31日(土) 13:00 / 17:00
 2月 1日(日) 11:30 / 15:30 (各回とも開場30分前)  

◆舞台美術:中川 香純
◆音    楽:内門 卓也
◆衣    裳:小林 巨和
◆演出助手:藤井 咲有里
◆舞台監督:川上 徹 (BDPインターワークス)
◇企画・制作:劇団BDP http://www.gekidan-bdp.jp/

◇CAST◇
  青砥  洋
  湖上 芽映/中沢 千尋/坪田 后加
  古川 美帆/広岡 鈴/中村 翼/漆原 志優/田中 万葉
  川田 桃子/田中 雅樹/遠田 ひな乃 ほか

◇年老いた一流画伯と、三人の娘とその家族たち。
画伯である父の引退宣言を契機にそれぞれの思惑、過去の確執や父の老いから来る問題が複雑に絡みあい・・・。
気鋭の劇作家・嶽本あゆ美が、古典劇「リア王」を題材に現代の家庭に起こり得る問題を抉り出す衝撃作!

◇チケットお申込み http://www.gekidan-bdp.jp/kouenjouhou/15a/15a-ticket.html







リアの食卓を囲んで

リア王の悲劇はおこるべくして起きたのではないか?
シェイクスピアの三大悲劇と謂われる「リア王」ですが、果たしてそれは悲劇なのか?
ある年齢以上になって「リア王」を読み返す時、血で血を洗う権力闘争よりも、人間の老いと家族関係の確執の方が大きな主題に思えて参ります。冒頭で提示される問いかけ、「誰が一番私を深く愛してくれるかな?」というある種の家長の驕りに、老いによる自信喪失と執着、その焦りが最も明確に表わされているのではないでしょうか。
 振り返って現代日本の周り近所を見回すと、定年後に妻に離婚を突きつけられ右往左往する人、奥さんを亡くされたり子供達に見捨てられたり、生き甲斐を無くしてしまう男性が沢山居るのです。これも同じく「リア」の悲劇なのです。歳を重ねていくなかでの家族同士のすれ違いは、やがては三大悲劇レベルの争いを生む最も大きな原因になるのでしょう。そうなった時、当事者が率直に我が身を振り返り、その原因を反省するのは難しいものです。これは男性に限らず、老いるということが人生最大の難題だからなのでしょう。
 この舞台の「リア」には同じく三人の娘がいます。三人娘と言えばチェーホフですが、長女の役割は、時として一族の家長と同じになります。次女、三女にもそれぞれに言い分があるのです。それをじっくり聞きたいとかねがね思っておりました。「リア王」は封建時代の家督相続を巡る混乱が発端となっています。家督相続というと時代劇的ですが、今の様に個人の自由が最大限に尊重される時代でも、何かが次の世代に引き継がれる時、個を超えた家の「習わし」というものが、一瞬大きく浮かび上がります。それは戒める如く、当事者に何かを要求するものです。それを見ないふりをするのか、家に軛の様に繋がれるのか、後に残される者には大きな決断が委ねられます。そんな理由で、「リア王」というものは、私には三大悲劇と言うより、お茶の間のホーム・ドラマのように見えるわけです。さて、観客の皆様の目にはどのように映るのでしょうか?[脚本・演出]嶽本あゆ美


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