中国伝統芸能「京劇」の日本普及を目指す、在日京劇団 新潮劇院は、『「京劇の世界」— 中国伝統芸能への誘(いざな)い —』を7月23日(土)新宿区・四谷区民ホールにて上演いたします。
日本で10年以上の活動を続けてきた新潮劇院が、これまでに培ってきた経験をもとに「京劇」という伝統芸能について日本人に分かりやすい内容を構成。
全く中国文化に触れたことのない方から、より「京劇」について深く知識を得たいという方まで、幅広く理解を深めていただくことができる公演です。
波乱万丈の近代中国の歩みの中で伝承されてきた京劇。
『変わること』を受入れ、なお『変わらない』その真髄とは何かに迫ります。
【『「京劇の世界」— 中国伝統芸能への誘い —』詳細】
京劇研究の第一人者である明治大学教授 加藤 徹(かとう とおる)先生による京劇レクチャーと、京劇の中でも特に伝統的な演目「貴妃酔酒(きひすいしゅ)」「除三害(じょさんがい)」の上演を行います。
また、これまで「日本人京劇俳優の育成」をテーマに掲げてきた成果として、新潮劇院が養成した日本人京劇俳優だけで行う、本格武劇「二将軍(にしょうぐん)」を試演致します。
◆公演情報
<公演名>
新潮劇院プロデュース「京劇の世界」— 中国伝統芸能への誘い —
<公演予定>
2011年7月23日(土)
開場 : 13:30
開演 : 14:00
場所 : 新宿区 四谷区民ホール(東京都新宿区内藤町87番地)
チケット: 一般 3,800円 / 新宿区民 3,300円 / 高校生以下 2,000円
URL :
http://www.shincyo.com<後援>
中国大使館 文化部、新宿区
新潮劇院では、今後も公演を継続的に行い、日中芸術の発展・交流、日中両国の更なる友好に向けて活動してまいります。
【演目紹介】
■貴妃酔酒
世界三大美女と謳われる「楊貴妃(ようきひ)」が、訪れぬ皇帝を待ちわびながら、酔い溺れる様を描きます。かつての名優『梅蘭芳(メイランファン)』の代表作で、刻一刻と揺れながら変化する女心の美しさを、高度な舞いと歌で表現する芸術性の高い作品です。
■除三害
幼い頃に両親を亡くし、町一番の暴れ者となった『周処(しゅうしょ)』を、太守『王澹(おうたん)』が言葉巧みに説得し、更生させるまでを描きます。
厄介者だからといって、ただ罰するのではなく『その者の本質を見抜いて良い方向に導き、和を成す』という教訓に満ちた味わい深い演目です。
■二将軍
日本でも根強い人気を誇る中国の歴史小説『三国志演義』の一節、猛将「馬超(ばちょう)」と「張飛(ちょうひ)」との一騎打ちに、新潮劇院が養成した日本人京劇俳優『張小山』と『塚田拓也』が挑みます。特に『張小山』は、自身の出身である新宿の地での初主演舞台となります。
【主なキャスト】
■張桂琴(ジァングイチン)
中国戯曲学院大学演劇学科卒業、同大学院を修了。
山西省京劇団で京劇俳優として活躍する一方、14年間にわたり母校演劇科の教員を務め、新潮劇院でも研修生専任の講師となる。
専門は立ち回りと唱の両方をこなす「刀馬旦」という、京劇女役の中でも、文武を兼ね備えた難役。
■殷秋瑞(インチュウレイ)
10歳より京劇俳優養成の最高機関である中国戯曲学院の附属中学にて学び中国の戯曲教育における第一期大学卒業生となる。卒業後は中国京劇院に入団して多くの名優と共演した。1990年に来日。
数多くの舞台を踏むと同時に、京劇の演出や舞台監督もつとめる。専門は花臉(顔全面に濃厚な隈取を施す役)。
桜美林大学客員講師中国戯劇家協会会員、中国演出家協会会員。
■加藤 徹(かとう とおる)
1963年、東京生まれ。現在、明治大学教授。主著に『京劇』『梅蘭芳 世界を虜にした男』『絵でよむ漢文』など
【新潮劇院 主宰・張春祥】
1960年7月18日北京生まれ。祖父の代から京劇を家業とする。北京戯曲学校卒業後、北京京劇院に13年間所属。数多くの京劇公演で主演を務め、好評を博す。
1989年に来日した後は、佐藤信演出「ボイッェク」、中島みゆき「夜会」、蜷川幸雄演出「さらばわが愛〜覇王別姫」、NHKドラマ「上海タイフーン」など多ジャンルで活躍。
1996年から京劇団「新潮劇院」を主宰し、日本での京劇普及活動を通じて、日中友好の懸け橋を担う。
【新潮劇院 団体概要】
三代続く京劇一家で、13年間北京京劇院で活躍した張春祥が、1996年に立ち上げた在日の京劇団。メンバーは在日の中国人京劇俳優と、京劇を学ぶ日本人京劇俳優で構成されており、楽団も在日の楽師が演奏。新潮劇院では3つの目標を掲げている。
1.中国伝統芸能『京劇』の日本での普及
2.日本人京劇俳優の育成・輩出
3.新しい京劇の創作