名古屋最高の不条理会話劇!
今回のオイスターズに笑いなし!?一年ぶりの完全新作本公演。
引きこまれた先に見えるのは、ある家族の物語。
博多の屋台でおでんと焼きラーメンを食べていたら隣でよっぱらいのおじさんが演劇のチラシを見ながら、この役者さん「イイ味出してるねえ」と言っている。ふと、ここで言う「イイ味」とはどういう意味なのか、携帯を取り出し調べてみると「個性的で好ましいさま」と書いてあった。僕は個性的という言葉を聞くといつも頭が変な感じになる。そもそも「個性」すらちょっとどういう事か分からないのにそこに「的」がついているとなんだかすごくぼんやりとしてくるのだ。僕の心の声が聞こえたのだろうかおじさんは「個性的ってのは他とは違うって事だよ」「え?」僕は驚き「他とは違う事とイイ味出してる事がどうしてつながるのかわからないのですが…」と言うと、おじさんは牛スジを持ち上げ「味が出るって事は味が染みわたる、つまり周りに影響を与える存在という事なのさ」と教えてくれた。…そうか、ただ他と違うだけじゃダメなんだ、周りに影響を与えないと【イイ味出してる】事にはならないんだ。僕には無理だな…。とうなだれていたら「だけどな、一番旨いのはこいつなんだ」と大根をくれた。確かに大根は他から出たイイ味を全部自分のものにしている。イイ味出してる奴の隣で一番おいしいところを持って行く、「よし、僕 は大根になる!」と立ち上がるとおじさんは静かに言った「あんた劇作家だろ、そういう事でいいのかい?」「…え?」「あんた本当はどっちになりたいんだ、牛スジか、大根か」…博多の屋台でこんな難問にぶつかるとは思いもしなかった。この作品で僕が演劇をやる上での方向性が決まるかもしれない。
――――――平塚直隆(作/演出家)
オイスターズ第17回公演『その味』
作・演出 平塚直隆
■東京公演
ご来場者全員にオイスターズ短編動画厳選の一本をプレゼント!
【日程】
12月4日(金)19:30☆
12月5日(土)14:00 / 19:30
12月6日(日)12:00 / 17:00
☆アフタートーク(12月4日(土)19:30の回)
土田英生(MONO)と平塚直隆(オイスターズ作・演出)のアフタートーク
【料金】
一般/前売3,000円・当日3,300円
学生/前売当日一律1,500円
【会場】
シアター風姿花伝
【キャスト】
中尾達也・平塚直隆・田内康介・横山更紗・川上珠来
【ご予約】
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=68825【Webサイト】
http://www.geocities.jp/theatrical_unit_oysters/