「正直言って、肉眼で見るより、3D映像のほうが立体感があって迫力があります」
これは、2010年12月22日、一般客に先駆け、ソニービルで行われた「3D 旭山動物園」プレス向けオープニングイベントで旭山動物園の坂東園長が語った言葉です。においや空気など、現場にいなければ感じられないものは確かにあるとしながらも、現役の園長が語ったこの言葉はある意味で衝撃的でした。
ついに映像は、肉眼を超えたのか。今回は、「3D 旭山動物園」の映像を通して、「3Dだからこそ見えるもの」に焦点を当てていきます。
■筋肉の動きまでお見通し? “遠い”動物たちに大接近!
地上高くに設置された鉄棒に腕や足を器用に絡ませ、空中を縦横無尽に飛び回るテナガザル。オランウータンの子どもは、鉄柱を手足の指だけを使ってゆっくりと、優雅にわたります。
「3D 旭山動物園」の映像では、地上からの距離が遠く、動物園に行っても肉眼で確認することが難しかった動物たちの運動を捉えることができます。
動物たちの息遣いがいまにも聞こえてきそうなほど繊細な動きを映し出しました。
■水中3Dカメラが捉えた アザラシの揺れる“ひげ”
くりっとしたゴマフアザラシのかわいい目が、手足を魚のヒレのように使って、素早く自在に泳ぐ様子が、グッと迫ってきます。
また、ヨチヨチ歩くお散歩が旭山動物園の名物となっているペンギンも水の中では大変な泳ぎ上手。陸上の動きからは想像できない素早い動きを見ることができます。
そんなアザラシやペンギンが目の前を通ったかのように、そのひげや毛の動きまで捉えられるのは、水中3Dカメラだからこそ可能になった映像。
ガラスの外にいては、まず味わえない不思議な世界が広がります。
【映像制作担当者に聞く、3D映像が“肉眼” を超えたワケ】
昨年に引き続き、「3D旭山動物園」の映像制作を担当したソニーPCLの広報担当者は、前回より迫力ある映像を制作できたとし、その理由として「単眼レンズを使用したこと」「スーパースローモーションカメラで撮影したこと」を挙げました。
「単眼レンズ」とは、 「単眼スプリッター方式 3D 撮影システム」のこと。1つのレンズで3D撮影を行うことが可能な特殊なシステムで、従来の二眼式3D撮影システムでは生じていたズーミングによる光軸ズレが発生しません。このため、高い位置にいる動物にも肉薄して撮影できるようになりました。また「スーパースローモーションカメラ」で撮影することにより、動物たちの素早い動きをじっくりと観察することが可能になっています。
「これまでの3D撮影システムでは奥行きは表現できても、それは近場にいる動物たちに限られていました。今回、撮影技術が向上したことにより、遠くにいる動物たちの姿まで、じっくりと映し出すことに成功しています。「3D 旭山動物園」でしか見られない映像が出来上がったと自負しております。」(ソニー PCL広報担当者)
【3D映像を全面バックアップ! OPUS(オーパス)の上映・音響システム】
迫力ある3D映像をバックアップしているのは、撮影技術だけではありません。「3D 旭山動物園」の上映会場となっている銀座 ソニービル8F「OPUS」(オーパス)には、最新の上映・音響設備が揃っています。
■200 インチ高精細リアプロジェクション・システムによる3D上映
OPUSでは、フルHDの4倍を超える解像度の4Kの高精細映像まで惜しみなく表現する、最高峰の4K “SXRD” プロジェクターを装備しております。
旭山動物園の3D映像は、このプロジェクター2台を使用してフルHD・3Dのクオリティで上映。
またリア投影を採用しているため、前の人の影がスクリーンに被ることもありません。
■心地良さを追求した楕円空間と卓越した音響性能
OPUSは居心地の良さを追求した楕円空間の中に、卓越した音響性能の保持を目指しました。
吸音率の異なる壁面パネルを凸凹に3次元配置するといった妥協のない音響設計とベストサウンドチューンを施し、余分な反響を限りなく低減。また、 7.1ch対応サラウンドスピーカーを装備し、空間の視覚的な印象とマッチした、やわらかくやさしいハイクオリティ・ピュアサウンドを実現しています。
「3D 旭山動物園」の映像も、OPUSの音響システムにチューニングされた5.1chサラウンドで上映。包み込まれる「音」のクオリティにぜひご注目下さい。
<「3D 旭山動物園」 実施概要>
期間 : 2010年12月22日(水)~2011年1月16日(日) ※1/1(土)を除く
時間 : 11:00~19:00(12月31日、1月2日、1月3日は11:00~18:00)
※ソニースクエア(屋外イベントスペース)の展示は、11:00~23:00
会場 : 東京・銀座 ソニービル 〒104-0061 東京都中央区銀座5-3-1 03-3573-2371(代表)
※入場・体験無料
主催 : ソニー企業株式会社(ソニービル)
共催 : ソニーマーケティング株式会社
特別協力 : 旭川市
協力 : 北海道国際航空株式会社、株式会社JTB北海道、ソニー株式会社
後援 : 北海道、社団法人北海道観光振興機構
監修 : 旭川市旭山動物園
ソニービル「3D 旭山動物園」サイト :
http://www.sonybuilding.jp/zoo10/